令和8年度 診療報酬改定〜リハビリテーション総合実施計画書はどう変わる?PT・OT・STが抑えるべき3つのポイント

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【2026年度改定】リハビリテーション総合実施計画書はどう変わる?PT・OT・STが押さえるべき3つのポイント
令和8年度 診療報酬改定

リハビリテーション総合実施計画書はどう変わる?
PT・OT・STが押さえるべき3つのポイント

2026年(令和8年)6月施行 / リハビリテーション科向け実務解説

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定により、リハビリテーション現場の日常業務に深く関わる「リハビリテーション総合実施計画書」の運用ルールが大きく見直されます。

「患者さんへの署名をもらう必要がなくなる?」「評価料の点数が変わるの?」「目標設定等支援・管理料はどうなる?」——そんな疑問を持っているリハビリスタッフのために、今回の改定のポイントを実務目線でわかりやすく解説します。

📌 この記事の目次
  1. 改定の背景:なぜ計画書の見直しが必要だったのか
  2. 【変更点①】計画書の様式が統合・簡素化される 〜署名欄の廃止〜
  3. 【変更点②】計画書の説明者が拡大される 〜看護師・PT・OT・STも可能に〜
  4. 【変更点③】リハビリテーション総合計画評価料の点数改定
  5. 目標設定等支援・管理料の廃止と減算規定の撤廃
  6. 現場での対応と「記録」の重要性
  7. まとめ

1. 改定の背景:なぜ計画書の見直しが必要だったのか

これまでのリハビリテーション実施計画書・総合実施計画書をめぐっては、現場から長らく課題が指摘されてきました。書類作成の手間、患者・家族への署名取得の煩雑さ、そして医師だけが説明を担う運用の非効率さです。

今回の改定は、こうした実務上の負担を軽減しながら、多職種がそれぞれの専門性を発揮しやすい体制を制度面からも後押しする方向性を打ち出しています。変更点は大きく3つあります。

2. 【変更点①】計画書の様式が統合・簡素化される〜署名欄の廃止〜

今回の改定で最も現場に影響する変更のひとつが、計画書様式の統合と署名欄の廃止です。

様式の統合

これまで別々に存在していた「リハビリテーション実施計画書」と「リハビリテーション総合実施計画書」が統合され、記載内容が簡素化されます。これにより、書類管理の手間が軽減されます。

なお、多職種が共同で評価・計画書を作成した場合に算定できる「総合計画評価料」の仕組みは変わらず維持されます。

患者・家族の署名欄が廃止

現行の様式には患者・家族の署名欄がありましたが、改定後の様式ではこの署名欄が廃止されます。

項目 現行 改定後
計画書の種類 実施計画書・総合実施計画書(別々) 統合・簡素化
患者等の署名 署名欄あり(署名を取得) 署名欄を廃止
説明の記録方法 署名にて確認 診療録への記録に整理
⚠ 注意:「署名不要」=「説明不要」ではありません 署名欄が廃止されても、患者さん・ご家族への説明と同意の確認は引き続き必須です。 「いつ・誰が・何を説明し・どのように同意を得たか」を診療録(カルテ)に適切に記録することが、これまで以上に求められます。

3. 【変更点②】計画書の説明者が拡大される〜看護師・PT・OT・STも可能に〜

実務上のインパクトが特に大きいのが、この「計画書の説明者の拡大」です。

これまでは、リハビリテーション実施計画書の説明は実質的に医師が行うことが基本とされてきました。しかし今回の改定により、医師の指示のもと、看護師・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)も計画書の説明を行うことが正式に認められます。

✅ 改定後の説明者(一般病棟等) 医師の指示のもとで、以下の職種が計画書の説明を担うことができます:
医師 / 看護師 / 理学療法士(PT)/ 作業療法士(OT)/ 言語聴覚士(ST)

リハビリの内容や目標を最も詳しく把握しているリハビリ専門職が、患者さんに直接説明できるようになることで、より質の高いインフォームドコンセントが期待できます。

回復期リハビリテーション病棟は対象外

❗ 重要:回復期リハ病棟は引き続き「医師による説明」が必要 回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している病棟については、今回の緩和措置の対象外です。引き続き、医師が計画書の説明を行う必要があります。回復期リハ病棟で勤務しているスタッフは注意してください。

4. 【変更点③】リハビリテーション総合計画評価料の点数改定

リハビリテーション総合計画評価料についても、今回の改定で「初回」と「2回目以降」の点数区分が新たに設けられます。

改定後の点数一覧

総合計画評価料1
(初回)
300
現行から変わらず
総合計画評価料1
(2回目以降)
240
★新設の点数区分
総合計画評価料2
(初回)
240
要介護被保険者等の場合
総合計画評価料2
(2回目以降)
196
★新設の点数区分
評価料の種別 現行 改定後(初回) 改定後(2回目以降)
評価料1 300点 300点 240点
評価料2 240点 240点 196点
📝 ポイント 「多職種が共同で評価・計画書を作成した場合」に評価料1が算定できる仕組みは変わりません。 2回目以降の点数区分が新設されたことで、継続的な関わりについても評価の整合性がとれるようになります。 自施設の算定パターンに合わせて、医事部門と連携して確認しておきましょう。

5. 目標設定等支援・管理料の廃止と減算規定の撤廃

計画書の運用見直しとあわせて、もう一つ大きな変更があります。それが「目標設定等支援・管理料」の廃止と、それに伴う減算規定の撤廃です。

目標設定等支援・管理料とは

この管理料は、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者(要介護被保険者等)に対して、医師が目標設定等の支援・管理を行った場合に算定できるものでした。

項目 現行 改定後
管理料(初回) 250点 廃止
管理料(2回目以降) 100点 廃止
算定しない場合の減算 所定点数×90%(10%減算) 減算規定も廃止

廃止後の代替措置:介護保険連携の要件化

目標設定等支援・管理料が廃止される一方で、その趣旨(介護保険への橋渡し)は別の形で制度化されます。脳血管疾患等リハビリテーション料・廃用症候群リハビリテーション料・運動器リハビリテーション料においては、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる場合に、介護支援専門員(ケアマネジャー)との連携が算定要件として組み込まれます。

📝 現場で意識したいこと 管理料の廃止=介護連携の免除ではありません。むしろ、介護保険サービスの紹介・体験提案をアルゴリズムに組み込んだ形で要件化される点に注意が必要です。退院前カンファレンスや退院支援において、これまで以上にケアマネとの連絡・情報共有を意識した運用が求められます。

6. 現場での対応と「記録」の重要性

今回の改定で生じる実務上の変化を整理すると、リハビリスタッフとして特に意識すべきことは以下の点です。

  • 新しい様式(統合・簡素化された計画書)への切り替えを確認し、自施設の書式を更新する
  • 患者・家族への説明後、「いつ・誰が・何を・どのように説明し、同意を得たか」を診療録に必ず記録する(署名に代わる記録が重要)
  • PT・OT・STが説明を担当する場合は、医師の指示を受けた上で行い、指示内容も記録に残す
  • 回復期リハ病棟勤務のスタッフは、引き続き医師が説明を行う運用を維持する
  • 要介護被保険者等の患者については、ケアマネとの連携を算定上の要件として実践する(脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハ)
  • 総合計画評価料の2回目以降の点数区分を踏まえ、医事・事務部門と算定ルールを再確認する
✅ リハビリ計画書の作成タイミング(変更なし) 計画書は原則としてリハビリ開始後7日以内(遅くとも14日以内)に作成する運用は今回の改定でも変わりません。このタイミングは引き続き守るようにしましょう。

7. まとめ

令和8年度(2026年度)診療報酬改定におけるリハビリテーション総合実施計画書の主な変更点は以下の3つです。

計画書様式の統合・簡素化+患者署名欄の廃止 → 署名の代わりに診療録への記録が必要
計画書説明の担い手が拡大 → 医師の指示のもと、看護師・PT・OT・STも説明可(回復期リハ病棟は除く)
総合計画評価料に「2回目以降」の点数区分が新設 → 評価料1:240点 / 評価料2:196点

また、目標設定等支援・管理料が廃止され、10%減算規定も撤廃されます。その代わりに、介護保険サービスの利用が必要な患者については、ケアマネとの連携が算定要件として明確化されます。

今回の改定は現場の業務負担を減らす前向きな変更ですが、「署名が不要になる」という部分だけが一人歩きしないよう注意が必要です。説明と同意の記録をしっかり残すことが、適切な算定を守る上でも患者さんとの信頼関係を築く上でも欠かせません。

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参考資料
厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)」(令和8年)
厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日)
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