「転院してきた患者さんの早期リハ加算、起算日はいつから?」
「同じ病院に入院中に脳梗塞を発症したら、起算日はリセットされるの?」
令和8年度の診療報酬改定で、早期リハビリテーション加算の起算日ルールが整理・明確化されました。疾患別リハビリテーションの起算日とは連動しないケースがあるなど、実務上で混乱しやすいポイントが複数あります。
本記事では、ケース別に起算日の考え方を整理し、初期加算との違いも含めて解説します。算定ミスや請求漏れを防ぐために、ぜひ確認してください。
📋 この記事でわかること
- 早期リハビリテーション加算の起算日の原則ルール
- 転院・同一入院・再入院・外来からの入院、ケース別の起算日
- 早期リハ加算と初期加算の起算日の違い(比較表あり)
- 実務でよくあるQ&A
そもそも「起算日」とは?早期リハ加算の基本をおさらい
早期リハビリテーション加算とは、疾患別リハビリテーション料に上乗せして算定できる加算で、入院患者に対してリハビリを早期から実施した場合に評価されるものです。
この加算には算定できる日数の上限(原則30日)が設けられており、その起点となる日付が「起算日」です。起算日をどの日に設定するかによって、加算を算定できる期間が大きく変わります。
令和8年度改定では、特に「疾患別リハビリの起算日」と「早期リハ加算の起算日」が必ずしも一致しないことが疑義解釈(問16)で明示されました。この点が今回の改定における最重要ポイントです。
原則ルール:起算日は「入院日」
早期リハビリテーション加算の起算日は、原則として「入院日」です。
疾患別リハビリテーション料の起算日(発症日・手術日・急性増悪日など)とは異なり、早期リハ加算はあくまで入院という事実を基準に起算されます。
⚠️ 混同しやすいポイント
「疾患別リハビリの起算日が変わったから、早期リハ加算も新しく算定できる」と思いがちですが、同一入院中はそうなりません。詳しくは次のケース①で解説します。
ケース別:起算日の考え方
ケース①:同一医療機関に入院し続けている場合
入院中に新たな疾患を発症・急性増悪し、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わったとしても、早期リハビリテーション加算の起算日は「当初の入院日」から変更されません。
📌 具体例
- 4月1日:糖尿病で入院 → 早期リハ加算の起算日=4月1日
- 4月10日:院内で脳梗塞を発症 → 脳血管疾患等リハビリの起算日は4月10日に切り替わる
- → しかし早期リハ加算の起算日は4月1日のまま変わらない
つまり、同一入院中は入院期間を通算してカウントされます。入院日から30日を過ぎていれば、新たな疾患が発症しても早期リハ加算は算定できません。この点は後述の初期加算との大きな違いになります。
ケース②:転院した場合
新たな疾患の発症などをきっかけに別の医療機関へ転院した場合、転院先では「転院日(=転院先への入院日)」が新たな起算日となります。
📌 具体例
- 4月1日:A病院に入院
- 4月10日:脳梗塞を発症
- 4月15日:リハビリ目的でB病院(回復期)へ転院
- → B病院における早期リハ加算の起算日=4月15日
転院先の病院にとっての「入院日」が起算日となるため、転院日から改めて30日間のカウントが開始されます。回復期リハビリテーション病棟への転院などで、早期リハ加算の算定を検討する際は、この点を確認しましょう。
ケース③:再入院した場合
一度退院した患者が同じ医療機関へ再入院した場合も、転院と同様に「再入院日」が新たな起算日となります。
前回の入院時の起算日は引き継がれず、再入院日から改めてカウントが開始されます。
ケース④:外来から入院へ移行した場合
外来で疾患別リハビリテーションを受けていた患者が、急性増悪などにより入院し、その疾患によって疾患別リハビリの起算日が切り替わる場合は、「入院日」を起算日として早期リハビリテーション加算を算定できます。
外来リハビリを継続していた期間は早期リハ加算の対象外であり、入院した日から新たに算定が開始されるイメージです。
起算日ルールのまとめ(一覧表)
| ケース | 早期リハ加算の起算日 | リセットの有無 |
|---|---|---|
| 同一院・同一入院中に別疾患を発症 | 当初の入院日(変更なし) | リセットされない |
| 別の医療機関へ転院 | 転院日(転院先への入院日) | リセットされる |
| 同一院または他院へ再入院 | 再入院日 | リセットされる |
| 外来リハビリから入院へ移行 | 入院日 | 入院日から新たに算定可 |
早期リハ加算と初期加算の「起算日」の違い
令和8年度改定で特に注意が必要なのが、早期リハビリテーション加算と初期加算では起算日の基準が異なるという点です。
初期加算は「疾患別リハビリテーションの起算日」に基づいて算定されます。つまり、同一入院中に新たな疾患を発症して疾患別リハビリの起算日が切り替わった場合、初期加算は新たな起算日から算定が可能になります。
| 項目 | 早期リハビリテーション加算 | 初期加算 |
|---|---|---|
| 原則的な起算日 | 入院日 | 疾患別リハビリの起算日(発症日等) |
| 同一院内で別疾患発症時 | リセットされない(当初の入院日のまま) | リセットされる(新たな発症日が起算日) |
| 転院・再入院時 | 転院・再入院日でリセット | 転院・再入院日でリセット |
| 外来から入院移行時 | 入院日から算定可 | 入院日から算定可 |
⚠️ 実務上の落とし穴
同一入院中に新たな疾患を発症したケースでは、「初期加算は算定できるが、早期リハ加算は入院日から30日を超えていれば算定できない」という状況が生じます。両加算の起算日ルールを混同しないよう注意が必要です。
実務でよくある疑問Q&A
まとめ
令和8年度診療報酬改定における早期リハビリテーション加算の起算日ルールを整理すると、以下のようになります。
- 原則は「入院日」が起算日
- 同一入院中に別疾患を発症しても、早期リハ加算の起算日はリセットされない
- 転院・再入院した場合は「転院日・再入院日」がリセットの起点となる
- 外来から入院に移行した場合は「入院日」から算定可能
- 初期加算は疾患別リハビリの起算日に連動するため、早期リハ加算とは起算日が異なるケースがある
特に、同一入院中の別疾患発症時に「早期リハ加算はリセットされないが、初期加算はリセットされる」という違いは、算定ミスにつながりやすいポイントです。チームで情報を共有し、医事課とも連携して確認しておきましょう。
