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この訂正の施行日は 2026年6月1日 です。
今回は令和8年度改定における3度目の訂正通知で、主に文言の整理・参照番号の修正が中心です。制度の根幹を変える内容(5月1日の2度目訂正で実施済み)とは性質が異なります。

2026年5月29日、厚生労働省から令和8年度診療報酬改定関連通知の3度目の一部訂正が発出されました。
今回の改定では、4月・5月と立て続けに訂正通知が出ており、現場のリハビリスタッフにとっては「結局何が変わったのか」が見えづらい状況が続いています。
この記事では、リハビリに直接関係する変更点を3つのポイントに絞り、実務的な視点でわかりやすく解説します。

① 運動器リハビリ「早期リハ加算」の起算日定義が整理された

運動器リハビリテーション料に設定されている「早期リハビリテーション加算」は、入院後早期からリハビリを実施した際に算定できる加算です。その算定要件として「入院した日から何日以内」という起算日の定義が重要になりますが、今回の訂正でこの定義文が整理されました。

変更箇所

運動器リハビリテーション料 早期リハ加算|起算日の定義

改定前(旧文言) 改定後(新文言)
「入院日(転院した場合は最初の保険医療機関に入院した日)」の定義に加え、入院中以外の患者(外来患者)に関する起算日の明示規定あり 「入院日(転院した場合は最初の保険医療機関に入院した日)のことをいう」と簡潔に定義。外来患者に関する起算日の個別規定は削除。
ポイント: 転院した場合の起算日が「最初の保険医療機関への入院日」であることは変わりません。今回の変更は、旧文言にあった「外来患者の起算日に関する個別明示」が定義文から削除され、入院日を基準とする考え方に一本化された形の整理です。

実務への影響をどう読むか

「外来患者の起算日規定が削除された=外来算定ができなくなった」と解釈するのは早計です。今回は事務的な文言整理としての位置づけであり、算定ルールの実質的な変更を意図したものではないと考えられます。

ただし、定義文の上で外来扱いの患者における起算日の明示がなくなっている点は事実です。運用上の疑義が生じた場合は、地方厚生局への個別照会で確認することを推奨します。

② 回復期リハビリ病棟:転院時の算定期間通算規定が明確化

回復期リハビリテーション病棟入院料(A308)に関連する転院時の扱いが整理されました。これは転院調整を日常的に行っている急性期病院・回復期病棟のスタッフにとって、特に重要な変更点です。

追加

回復期リハビリテーション病棟入院料 A308|転院時算定期間の通算規定

改定前 改定後(追記)
転院した場合の算定期間の通算に関する明示規定なし 転院した場合に算定期間を通算する規定が新たに追記された。
また「入院料」という表記が「入院料等」に修正。
ポイント:「算定期間の通算」とは、前院での回復期リハビリテーション病棟の在院期間を、転院先でも引き継いでカウントするという考え方です。この規定が明文化されたことで、転院を挟んだケースにおける算定期間の解釈が統一されました。

転院調整時の確認事項

回復期リハビリ病棟への転院搬送に関わるリハビリスタッフ・MSWは、紹介状や情報提供書に前院での回復期リハビリ病棟在院期間(算定開始日)を明記するよう、さらに意識的に対応する必要があります。算定期間の残日数が転院先でも適切に引き継がれるよう、情報連携の精度を高めることが重要です。

また、今回「入院料」から「入院料等」への表記統一も行われており、地域包括ケア病棟入院料・地域包括医療病棟入院料に関する薬剤参照先や通則番号の参照誤りも併せて訂正されています。

③ 介護保険リハビリ移行支援料:参照先と連携表現が統一

リハビリの維持期・生活期移行に関わる「介護保険リハビリテーション移行支援料」についても、文言整理が行われました。

整理

介護保険リハビリテーション移行支援料|参照先・連携表現の統一

改定前 改定後
脳血管・廃用・運動器リハビリテーション料の維持期規定に関する参照先が統一されていなかった 参照先が「注6」に統一された
連携相手の表現:「事業所」 連携相手の表現:「事業所の従事者」(具体化)
ポイント:「事業所」という表現が「事業所の従事者」へと具体化されました。これは、連携の実態(特定の担当者・従事者との情報共有)をより明確に表すための整理です。実際の連携記録・情報提供の場面では、担当者名等を明記した形での対応がより適切となります。

維持期リハビリ移行を担当するスタッフへ

介護保険リハビリへの移行支援に携わるスタッフ(特に脳血管・廃用・運動器リハビリを担当するPT/OT)にとって、参照先「注6」の統一は算定要件の確認作業を簡素化するものです。院内の算定マニュアルや確認シートを使用している場合は、参照先の記載を「注6」に更新することをお勧めします。

今回の訂正の全体像と背景

3回の訂正通知の流れを整理する

  • 令和8年度改定(4月1日施行):本体改定。急性期・回復期・生活期にまたがる幅広い変更
  • 5月1日付 2度目の訂正:回復期リハビリテーション病棟入院料1の経過措置を前倒しするなど、制度の根幹に関わる実質変更を含む
  • 5月29日付 3度目の訂正(今回):主に文言・参照番号の整合性を図るための事務的整理。施行は6月1日。

今回の3度目の訂正は、5月1日の訂正とは性質が異なります。5月1日には「経過措置の前倒し」という制度変更が含まれていましたが、今回は実務的な運用を妨げる表記の不整合を解消するための修正です。訂正通知が短期間に複数回発出されることは、改定の規模が大きいほど発生しやすく、現場での情報管理が重要になります。

まとめ:実務でおさえるべき3つのポイント

項目 変更内容 種別 実務対応
早期リハ加算
起算日定義
「最初の保険医療機関への入院日」に簡潔化。外来患者の個別規定は削除。 文言整理 疑義が生じた場合は地方厚生局に照会
回復期リハ病棟
転院時算定
転院時の算定期間通算規定を明記。「入院料」→「入院料等」に表記修正。 規定追加 情報提供書に前院の算定開始日を明記
介護移行支援料
参照・連携整理
参照先を「注6」に統一。連携相手を「事業所の従事者」に具体化。 文言整理 院内マニュアルの参照先を「注6」に更新

今回の訂正は「制度が変わった」というよりも、「通知の表現が整理・明確化された」という位置づけです。しかし、表記の変化が算定実務の解釈に影響するケースもあるため、管理者・リーダー職の方は院内周知のうえで、必要に応じて算定マニュアルを更新することをお勧めします。

診療報酬改定の通知・訂正は今後も続く可能性があります。定期的な情報収集と、院内の診療報酬担当者・医事課との連携を大切にしながら、自信を持って算定業務に臨みましょう。

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