心リハ指導士を目指して 〜血圧と心拍数の話〜

かずPT
かずPT

この記事では運動生理学の範囲でお話をします。

苦手意識が多い分野ですね😅

ただ、ここが理解することができれば担当する患者さんの病態の理解やリハビリに役立てることは間違いなし!!

僕はそう思っています。

収縮期血圧と拡張期血圧の話

  • 当然ながら、血圧は心臓の収縮に合わせて変動しています。
  • 臨床において、ICUやCCU等、集中治療室管理が必要となるような症例に出会ったことはありますでしょうか。そこではリアルタイムで動脈血圧をモニタリングするためにAラインといるルートを確保していることがあります。
  • モニター心電図と一緒に血圧は圧波形をみることができます。
  • 大動脈の圧波形は、上行脚と下行脚からなり、下行脚には切痕があります。切痕は左室からの血液の拍出の終わりに大動脈弁が閉鎖することによって生じます。
  • したがって、上行脚の立ち上がりから切痕までの期間が心収縮期を、切痕から次の圧波形の立ち上がりまでの期間が心拡張期を示していることになります。
  • 動脈圧波形の最大値が収縮期血圧、最小値が拡張期血圧ということになる。
  • 両者の差を脈圧といい、動脈圧波形を時間平均したものを平均血圧という。
  • 血圧は運動により上昇するため、安静時血圧の測定は十分な安静の後に測定する必要がある。収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧と定義されている。

動脈圧波形

参考著書 日本心臓リハビリテーション学会 編 心臓リハビリテーション必携

心拍数の話

  • 心拍数(heart rate)は心臓(心室)の拍動の回数であり、1分間あたりの拍数として表されることが多いです。例えば、1分間あたり60拍であれば心拍数60回/分、あるいはHR60回/分と表現される。
  • 成人の安静時心拍数は通常60〜100回/分であり、それ未満(60未満)を徐脈、それ以上を頻脈という。
  • 心拍数は心電図上でのQRS波の頻度として測定することが多い。
  • 心拍数に対し、橈骨動脈あるいは総頸動脈や大腿動脈を触知して測定する脈拍の頻度を脈拍数という。(pulse rate)。
  • 通常、脈拍数は心拍数に等しいが、不整脈がある場合は心収縮があるにもかかわらず、脈拍として感知されないこともある。この心拍数と脈拍数の差を脈拍欠損という。
  • 代表例としては、心房細動がある。心拍が全くの不規則になるため欠損が生じやすい。
  • 脈拍欠損は心機能が低下していると生じやすいと言われるため、心拍数と脈拍を同時に測定して脈拍欠損の程度を評価しておくのも重要と言えます。

運動負荷を上げた時の心拍数の変化

  • 負荷量を段階的に増加させる多段階漸増負荷試験、あるいは負荷量を直線的に増加させるramp負荷試験において、心拍数は直線的に増加します。
  • ただし、漸増させてもそれ以上増加しない頭うちの心拍数があり、それを最大心拍数(maximal haert rate)といいます。
  • 最大心拍数は、年齢とともに低下します。
  • 最も広く用いられているものが(220ー年齢)/分として最大心拍数を求めるものです。この予測式で求めた心拍数を予測最大心拍数といいます。(predicted maximal haert rate)。
  • 最大心拍数に対し、実際に症候限界性多段階負荷試験を行って得られた心拍数の最大値を最高心拍数(peak haert rate)といいます。
  • 最大心拍数または最高心拍数と安静時心拍数との差を心拍予備能あるいは心拍数予備能といい、運動処方を行う際の相対運動強度の設定法に応用されることがある。
  • 心拍予備能の算出に予測最大心拍数を用いることもあり、これを予測心拍予備能と呼ばれるが、実際の運動処方においては実測値に基づいて行う方が適切となる

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