心リハ指導士試験対策:問題形式で勉強しよう!9

問題1 運動療法中止または変更する基準で誤っているのはどれか。

  • 1 III音出現
  • 2 呼吸数30回以上
  • 3 血圧低下(10mmHg以上)
  • 4 Borg14以上
  • 5 PVC・PACの増加

問題2 心不全に対する運動プログラムで誤っているものはどれか。

  • BNPの変化に注意する。
  • ウォームアップ、クールダウンは含まれる。
  • 3 下肢のレジスタンストレーニングは1RMの50〜60%の負荷で行う。
  • 4 同一運動強度での2段階以上のBorg上昇は負荷が過大である。
  • 5 Karvonen法では定数0.6から開始する。

問題3 大血管疾患術後リハの中止基準に当てはまるものはどれか。2つ選べ。

  • 1 体温38℃
  • 2 安静時収縮期血圧130mmHg
  • 3 Hb10.0g/dl以下への急性増悪
  • 4 呼吸回数35回
  • 5 RASS≦-2

問題4 大動脈疾患のリハビリで誤っているものはどれか。

  • 1 通常径の1.5倍以上を大動脈瘤と呼ぶ。
  • 2 リハビリ進行中、ULP群は収縮期血圧130mmHg以下が目標である。
  • 3 Stanford B大動脈解離のリハでは発症から24時間以内は絶対安静である。
  • 4 Stanford B大動脈解離のゴール設定は収縮期血圧130mmHg未満でコントロールすることである。
  • 5 内膜・中膜・外膜全て拡張したものを真性大動脈瘤とよぶ。

問題5 末梢動脈疾患(PAD)について正しいものはどれか。

  • 1 PAD患者の主な症状は潰瘍である。
  • 2 PAD患者の初期運動療法では軽度の負荷で行うことが望ましい。
  • 3 PAD患者は心筋梗塞より予後は良好である。
  • 4 Fontain IIIでは血行再建療法が第一選択である。
  • 5 Fontain I・IIでは非監視下での運動療法が望ましい。

問題6 慢性腎臓病(CKD)に対する運動療法として適切なものはどれか。

  • 1 非透析日に運動を行う。
  • 2 腎移植患者には運動は行わない。
  • 3 柔軟体操は必要ない。
  • 4 レジスタンストレーニングの頻度は3〜5日/週が望ましい。
  • 5 有酸素運動は酸素摂取予備能の60〜80%の強度で行うのが望ましい。

問題7 レジスタンストレーニングについて誤っているものはどれか。

  • 1 クールダウンは血管迷走神経反射を抑制させる。
  • 2 クールダウン中のモニタリングの指標としての心拍数監視は必ずしも行わなくて良い。
  • 3 ウォーミングアップは換気増大を抑制させる。
  • 4 ウォーミングアップ、クールダウンにはストレッチが良い。
  • 5 ウォーミングアップなしでは心筋虚血を生じやすい。

問題8 薬剤の注意点について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 β遮断薬は血圧上昇に注意する。
  • 2 Ca拮抗薬(ジヒドロピジン系)は頻脈に注意する。
  • 3 硝酸薬は空咳、高K血症に注意する。
  • 4 利尿薬は耐糖能低下に注意する。
  • 5 ACE阻害薬は高度徐脈に注意する。

問題9 安静時心拍数を低下させる作用があるのはどれか。

  • 1 ニコチン
  • 2 利尿薬
  • 3 硝酸薬
  • 4 Ca拮抗薬
  • 5 ACE阻害薬

問題10 米国健常人での運動療法中の心事故発生率はどれか。

  • 1 1/180000 患者・時間
  • 2 1/320000 患者・時間
  • 3 1/560000 患者・時間
  • 4 1/60000 患者・時間
  • 5 1/6000 患者・時間

問題1の解説

解答 

運動療法の中止または変更を要する基準
  • 著明な息切れまたは倦怠感 (Borg14以上)
  • 運動中の呼吸数40回/分以上
  • III音または肺ラ音の出現
  • 肺ラ音の増強
  • II音肺動脈成分の増強
  • 脈圧の減少(収縮期・拡張期血圧の差が10mmHg未満)
  • 運動中の血圧低下(10mmHg以上)
  • 運動による上室性または心室性期外収縮増加
  • 発汗、蒼白または意識混濁

問題2の解説

解答 

Karvonen法を用いる場合は、定数kの値が0.4以下程度の低強度から開始し、徐々に強度を増加させる。

問題3の解説

解答 1 2

大血管術後リハビリの中止基準
  • 炎症
    • 発熱37.5℃以上
    • 炎症所見(CRPの急性増悪期)
  • 循環動態
    • 新たな重症不整脈の出現
    • 頻脈性心房細動の場合は医師と相談
    • 安静時収縮期血圧130mmHg以上
    • 離床時の収縮期血圧30mmHg以上の低下
    • 新たな虚血性心電図所見:心拍数120bpm以上
  • 貧血
    • Hb8.0g/dL以下への急性増悪
    • 無輸血手術の場合はHb7.0g/dL台であれば医師へ相談
  • 呼吸状態
    • SpO2の低下(酸素ありの状態でも92%以下、運動時誘発性にSpO2が4%以上低下)
    • 呼吸回数40回/分以上
  • 意識状態
    • 意識・鎮静レベルがRASS≧-3
    • 鎮静薬の増量、新規投与が必要なRASS>2
    • 労作時の呼吸困難・患者拒否

問題4の解説

解答 

Stanford B型急性大動脈解離のリハビリテーションに関する問題である。

発症から48時間は絶対安静、それ以降安静を徐々に解除してリハビリテーションを開始する。収縮期血圧<120mmHgの管理、高齢者ではせん妄や呼吸不全の管理にも注意を要する。リハビリ進行中の収縮期血圧の基準は、真性群160mmHg以下、血栓閉塞群140mmHg以下、ulcer like projection(ULP)群130mmHg以下、偽腔開存群120mmHg以下としている。基準を上回る場合はステージ進行を見送る。

問題5の解説

解答 

末梢動脈疾患(PAD)患者の予後は心筋梗塞や脳卒中患者よりも不良で、その死因の約70%は心筋梗塞や脳卒中である。PAD患者の過半数は、冠動脈疾患や脳血管疾患など他の部位の動脈硬化を合併している。PAD患者の主な症状は間歇性跛行であり、間歇性跛行のあるPAD患者の最高酸素摂取量は、同一年齢健常者の約50%と報告されいてる。運動療法としては、ガイドライン上中等度以下を初期治療として推奨されている。間歇性跛行に対する薬剤であるシロスタゾールは、間歇性跛行を有すすPAD患者を対象として、ガイドラインでクラスI、エビデンスAの第一選択薬として推奨されている。Fontain III、IVの重症虚血例では、CTやMRI等で局所診断を行った後で、血行再建療法が第一選択となる。

問題6の解説

解答 

問題7の解説

解答 

問題8の解説

解答 2 4

  • ACE阻害薬は空咳、高K血症、腎機能悪化、血管浮腫の出現に注意
  • Ca拮抗薬(ジヒドピリジン系)は反射性頻脈や低血圧の出現に注意
  • 硝酸薬は頭痛、血圧低下、緑内障に注意
  • β遮断薬は心機能低下、高度徐脈の出現に注意
  • 利尿薬は低K血症、高尿酸血症、耐糖能低下、脂質異常に注意

問題9の解説

解答 

ニコチンは不変〜増加、ACE阻害薬・利尿薬は不変、硝酸薬は増加

問題10の解説

解答 

1/60000 患者・時間は外来心疾患患者の心事故発生率である。

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