冠危険因子とは?心臓の健康を守るために知っておきたいポイント 

はじめに

心臓の健康を維持するためには、冠動脈疾患(CAD)のリスクを理解し、予防することが重要です。この記事では、冠動脈疾患の主要な危険因子について詳しく解説し、日常生活で心臓の健康を守るためのヒントを提供します。

かず
かず

今回の記事では!

  • 冠危険因子についての解説
  • どんなものが危険なの?
  • 原因はいったい何?
  • 改善策や対策はあるの?

このような内容で作成しています。

興味があれば読んで見てください。


冠危険因子とは?

冠動脈疾患(CAD)は、冠動脈が狭くなったり詰まったりすることによって引き起こされる心臓の病気です。この疾患は心筋梗塞や狭心症など、生命を脅かす状態に繋がる可能性があります。CADの発症リスクを高める要因を「冠危険因子」と呼びます。これらの危険因子を理解し、コントロールすることが、心臓の健康を保つ鍵となります。

主な冠危険因子

心筋梗塞といった冠動脈疾患(CAD)の発症に関連する主な危険因子を紹介してきます。

1. 高血圧

高血圧は冠動脈の壁に過剰な圧力をかけ、動脈硬化を促進します。これにより、冠動脈が狭くなり、血流が制限されるリスクが高まります。

外来での随時血圧を複数回測定し、収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上である場合に高血圧と診断されます。治療の際には血圧を下げる目標の値がありますが、それはその他の冠危険因子(糖尿病や低コレステロール血症など)、はたまた心筋梗塞の既往の有無によって統合的に評価されます。

基本的には冠危険因子がある場合には130/80mmHg未満を目標にする事が多いです。

2.低HDLコレステロール血症

40mg/dL未満で、低HDLコレステロール血症とされます。HDLコレステロールは動脈硬化の進行を抑制するリポ蛋白です

高コレステロール血症とともに冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患との因果関係と治療の有効性があららかにされているのが低コレステロール血症です。しかしながら、単独の場合は現在のところ確立された薬物治療はないみたいです。

3. 高LDLコレステロール血症

LDLコレステロール血症では、コレステロールが動脈壁に蓄積して動脈硬化を進行させます。重症度が増すほど冠動脈疾患の発症リスクも増加するとされています。血液中の高いLDLコレステロール値は、動脈壁にプラークを形成し、動脈を狭くすることが狭心症や心筋梗塞に至るきっかけとなります。

虚血性心疾患を有する脂質異常症の治療目標

LDLコレステロール : 100mg/dL未満

Non-LDLコレステロール : 130mg/dL未満

HDLコレステロール : 40mg/dL以上

生活習慣の改善とともに薬物治療を考慮する必要があり、多くは両者が選択されます。

4. 喫煙

タバコの煙に含まれる化学物質は、冠動脈の内壁を損傷し、動脈硬化を引き起こします。また、喫煙は血液中の酸素量を減少させ、心臓に余分な負担をかけます。

喫煙・禁煙に関する詳細記事を今後作成予定です。

5. 糖尿病

糖尿病は血糖値の管理が難しくなる病気です。糖尿病は、動脈硬化症のリスクが上がるといわれています。心筋梗塞を発症するリスクは、糖尿病でない患者さんと比較すると3倍以上となり、国内でも虚血性心疾患が直接死因となる糖尿病患者が増加傾向にあります。

動脈硬化進行の原因は?
  • 酸化ストレス
  • インスリン抵抗性による血管平滑筋増殖
  • 内皮機能の低下
  • 血小板凝集能の活性化

上記のような原因が考えられています。

高血糖が長期間続くと血管が損傷しやすくなります。これにより、動脈硬化やその他の血管障害が進行しやすくなります。

虚血性心疾患患者の多くは2型糖尿病であり、治療法には食事療法、運動療法、薬物療法があります。一般的にHbA1c値をコントロール指標として判定されます。食事や運動といった生活改善を3ヶ月間継続したのちコントロール不良である場合は薬物療法も検討されます。

6. 肥満

肥満は高血圧、糖尿病、高コレステロールなど、複数の冠危険因子と関連しています。体重管理は冠動脈疾患の予防に重要です。

7. 運動不足

運動不足は心血管系の健康を悪化させる要因となります。定期的な運動は心臓の強化、血圧の低下、体重管理に役立ちます。

8. 不健康な食事

飽和脂肪やトランス脂肪を多く含む食事は、コレステロール値を上昇させ、動脈硬化を促進します。野菜、果物、全粒穀物を多く含むバランスの取れた食事が推奨されます。

9. 遺伝的要因

家族歴に冠動脈疾患がある場合、そのリスクは高まります。遺伝的要因はコントロールできませんが、他の危険因子を管理することでリスクを減少させることが可能です。

冠危険因子の管理方法

冠危険因子を管理するための具体的な方法を以下に示します。

  1. 定期的な健康診断: 高血圧や高コレステロール、糖尿病などを早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
  2. 禁煙: 喫煙をやめることで、冠動脈疾患のリスクを大幅に減少させることができます。
  3. 健康的な食生活: 野菜、果物、全粒穀物、低脂肪のタンパク質を中心とした食事を心がけましょう。
  4. 定期的な運動: 週に150分以上の中程度の有酸素運動を目標にしましょう。
  5. 体重管理: 適切な体重を維持することで、多くの冠危険因子をコントロールすることができます。

まとめ

病院における臨床現場では、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症など多くの冠危険因子を合併していることも少なくありません。そのことをふまえ心臓リハビリを行います。

冠動脈疾患の危険因子を理解し、日常生活の中でコントロールすることは、心臓の健康を守るために非常に重要です。高血圧、高コレステロール、喫煙、糖尿病、肥満、運動不足、不健康な食事、遺伝的要因といったリスク要因に対処することで、冠動脈疾患の発症リスクを大幅に減少させることができます。

健康的な生活習慣を身につけ、定期的な健康診断を受けることで、長寿と健康を維持しましょう。

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