はじめに|理学療法士国家試験、なぜ不安になるのか?
「理学療法士になりたい。でも、国家試験がとにかく不安…」
そんな声を、僕は何度も耳にしてきました。学生の時もそうですし、理学療法士になってから実習生からも沢山質問をされたことがあります。
「先生はどうやって勉強してきましたか?」
事実、理学療法士国家試験(PT国試)は毎年90%前後の合格率を誇るとはいえ、絶対に受かる保証があるわけではありません。卒業試験もかなり大変ですし…。
とくに最近では、出題形式の変化や難易度の上昇、そして実習との両立など、学生にとっての負担は年々大きくなっています。
でも大丈夫。
僕は模試で全国8位(上位0.2%)、本番で230点という結果を出せましたが、決して“天才型”ではありません。ひたすら繰り返して練習したに過ぎません。
この記事では、「凡人でもここまでやれば結果が出る」という実例として、僕が実際に取り組んだ国家試験対策のすべてを、お伝えする記事にしてみます。
【開始時期】3年生から始めた理学療法士国家試験対策の理由
▶ 早く始めることが最大のアドバンテージ
僕が本格的に国家試験対策をスタートしたのは理学療法学科3年生のとき。
多くの人が「4年生からでいいかな」と思いがちですが、僕は「実習と並行しても少しずつ始めるべきだ」と判断しました。
理由はシンプルです。
基礎学問の土台がないと、臨床問題に太刀打ちできないから。また、この国家試験の勉強は実習にも役立つからと考えたからです。
▶ 使用教材:結論は使えるものは全て使いました。
僕が学生時代使用していた教材は以下のとおりです。
- 『QB 基礎医学編(基礎学問)』
- 『QB 臨床専門科目編』
- 『国試の達人 基礎学問編』
- 『国試の達人 臨床医学編』
- 『国試の達人 理学療法編』
- 『必修ポイント 基礎医学編』
- 『必修ポイント 臨床医学編』
- 『必修ポイント PT学編』
- 『リハドリル』
絶対に国家試験に落ちたくなかったので、使える教材(武器)はかたっぱしから全部使いました。
ただ、全部を同時進行することは難しかったので、基本的にまずは順序を決めて進めていきました。まずは全体的な基礎からみっちり時間をかけて勉強したかったので、以下の順で進めていきました。
計画的に順番を決めて進めました
3年生になり6ヶ月間でやったこと
- 1 QB 基礎医学編(基礎学問)を1周
- 2 QB 臨床専門科目編を1周
- 3 必修ポイント 基礎医学編を1周
- 4 必修ポイント 臨床医学編を1周
- 5 必修ポイント PT学編を1周
ポイントは、答えを覚えるのではなく、「なぜその答えになるのか」を理解すること。
この勉強法を3年のうちからコツコツ積み上げたことが、知識定着の加速力に直結しました。
3年生の後期(6ヶ月間)でやったこと
- 1 QB 基礎医学編(基礎学問)を2周目
- 2 QB 臨床専門科目編を2周目
- 3 国試の達人 基礎学問編を1周
- 4 国試の達人 臨床医学編を1周
- 5 国試の達人 理学療法編を1周
- 6 空き時間にはひたすらリハドリル
3年生の前期には時間をかけて知識の定着を目指して勉強をしていたので、QB2周目に関してはスムーズに終わりました。
少しずつ国試の達人で問題を解く練習を開始して少しずつ1日に解く問題数を増やしていきました。
【4年生編】国試本番で230点を取るためにやった3つの戦略
①『国試の達人』で過去問10年分を5周
4年生になってからさらに本格的に手をつけたのが、『国試の達人』シリーズ。
この教材の強みは、過去問を徹底的に分野ごとに整理してくれているところです。
ここでは、「過去10年分の過去問を5周」という目標を掲げ、次のようなサイクルを徹底しました。
- 問題を解く
- 解説を読む
- 関連する教科書・資料で知識を補強
- 関連するキーワードからさらに知識の幅を広げる
- 間違えた問題をメモ帳に記録(自作ノート)
この繰り返しにより、単なる暗記ではなく**“出題者の意図を読み解く力”**が身についていきました。
② 『リハドリル』で過去問・模試15年分を解きまくる
僕が実習期間が完全に終わったのは11月でした。その秋以降、僕が最も時間を使った教材が「リハドリル」です。
こちらは過去15年分以上の問題を網羅しており、「実戦力」を高めるための最高の一冊でした。
✅ 隙間時間の使い方も工夫
- 通学時間はスマホで1問1分で解く練習(電車に乗ってる時間は行き帰りで合計40分ほどなので、合計40〜50問をといてました。)
- 昼休みに10問だけ解いて確認
- 夜は復習&苦手ノートの整理
重要なのは、「短時間でできるからこそ、回数を重ねられる」という点。
「まとまった時間が取れないから…」という言い訳は、ここでは通用しません。
③ 「人に教える」アウトプット学習の威力
僕の勉強法の中で、最も強力だったのがこのアウトプット学習。
11月に全ての臨床実習が終わったあと、学年でビリだった友人に、朝から晩まで勉強を教えていました。
これが、自分の知識を「本当の意味で定着させる」最大のきっかけになったのです。
【模試結果・本番】全国8位を取るために実践した試験テクニック
▶ 模試の成績
- 医歯薬模試:全国8位(上位0.2%)
- アイペック模試:上位10位以内
- 国家試験本番:230点(合格ラインより大幅クリア)
模試を重ねる中で、僕は「点を取るための考え方・読み方」を磨いていきました。
▶ 本番で意識したこと
- 問題文のキーワードにマークしながら読む
- わからない問題は「3秒ルール」で即パス
- 昼休憩は知識の確認よりもメンタルの安定を優先
当日、緊張して思考停止にならないためにも、模試での経験は非常に大切です。
【PT学生必見】理学療法士国家試験対策で意識すべき3つのポイント
① 3年生からQBで早めに始める
周りが動いていないタイミングで少しずつ進めるのが、最大の差になります。
② 過去問は“理解”重視で繰り返す
「なぜこの答えになるのか」を自分の言葉で説明できるレベルを目指しましょう。
③ アウトプットを習慣化する
誰かに教える、ノートにまとめて声に出す、自分の言葉で解説する。
この“アウトプット癖”が、合格を大きく引き寄せてくれます。
おわりに|“不安”は“行動”でしか消えない
理学療法士国家試験は、一見すると大きな壁に見えます。
でも実際は、「やるべきことを、やるべき順に、確実に積み上げる」ことができれば、誰でも超えられる壁です。
僕のような普通の学生でも、230点という結果が出せたのは、
「早く始めて、繰り返して、仲間と学び合った」から。
あなたにも必ずできます。
この記事が、少しでもあなたの学習のヒントや希望になれば幸いです。