今回の記事では「筋スパズム」についてのお話をします。
この記事では以下のことが分かるようになります。
・筋スパズムとは何なのか
・筋スパズムに理解に大切なこと
・どのようなリハビリ・治療を行えば良いか
少しでもイメージできるとできる治療の幅が広がる😊
筋スパズムとは何か
筋スパズムって何ですか?
そもそも何で筋スパズムって起こるんですか?
と質問があった場合、みなさんは答えることができますか?
僕は後輩等に質問された訳ではなかったですが、自分でふと思いました。
筋スパズムって何だろう。うまく説明できないかも・・・。
と思いざっくり勉強してみました。筋スパズムとは・・・
- 侵害受容反射(筋肉に力が入っている状態)が持続している状態のことであり、「痛み刺激を契機とした侵害受容反射によって持続的に筋が収縮している状態」のことを言います。
- スパズムは関節周辺に加わる侵害刺激を契機とした、関節内炎症が起因となって生じた侵害受容反射(屈曲反射)であり、すべての関節を構成する筋肉に起こりえます。
- 屈曲反射というのはヒトが危険から身を守るために備わっている防御反射であり、例えば、熱いものを触れた特には暑っと無意識のうちに手を離すといったことなどがあります。
筋スパズムの理解に大切なこと
- どのような流れで筋スパズムが起こっているのかを理解するためには、やはり解剖学的なことがわからないといけません。
- 屈曲反射のメカニズムは皮膚や筋肉に痛みが生じるとAδ線維から脊髄に情報が送られ、介在ニューロンを介してα運動ニューロンに行き、α運動ニューロンから筋肉に筋肉にいき筋肉が収縮する。というメカニズムです。
悪循環になっているケースとは
侵害受容反射であるため、「痛みがひいてくれば改善してくるんじゃないか?」と考えれます。
しかしながら、実際のところなかなか改善しないことも多いです。
それはいくつかのスパズムの悪循環に陥っているからかもしれません。
①筋紡錘の感度が上昇する
- 痛み刺激が生じると筋スパズムが生じるだけでなく筋紡錘の感度が上昇している可能性があります。これは痛みを完治したAδ線維が介在ニューロンを介してγ運動ニューロンを興奮させることで生じます。
- 筋紡錘の感度が上昇してしまうと普段であれば反応しないほどのわずかな刺激でも、筋の収縮が生じるようになってしまいます。
- 結果として常に筋肉が収縮してしまっているような状態になります。
②筋肉の循環不良により新しい痛みが生じてしまう
- 筋が持続的に収縮した状態になると局所は循環障害による酸素欠乏状態となります。
- 筋痙攣によって局所循環障害が起きるとブラジキニンなどの発痛物質が生成されてしまい、新たな痛みが生じてしまう原因となりえます。
- さらに、またその痛みによって筋い攣縮が起きてしまうという悪循環が生じてしまいます。
どのようにリハビリ・治療を行えば良いか
✔︎ 治療で痛みは出さないこと
✔︎ 筋が弛緩する反射を利用する
✔︎ 軽い負荷で関節運動を行う
✔️治療で痛みは出さないこと
- 筋スパズムは、痛みが原因で生じた筋肉の持続的な収縮です。したがって、筋スパズムの治療では絶対に痛みを出してはいけません。
- 新たな筋スパズムを生んだり、リハビリに対する恐怖心が生じてしまったりするとさらに悪化させてしまう可能性が高いです。
✔️筋が弛緩する反射を利用する
- 筋肉が弛緩する反射として、代表的なのがIb抑制です。
- Ib抑制は、筋腱移行部にあるゴルジ腱器官が刺激を受けると、Ib求心性線維に緊張が伝わりIb抑制系介在ニューロンを介して筋の緊張を抑制する反射です。
Ib抑制のやり方
- 直接ゴルジ腱器官に刺激を加える。→スパズムが生じている筋肉を包み込むように把持して筋線維方向に沿って引っ張ってみる。これによりゴルジ腱器官に伸張刺激が加わりIb抑制がかかります。
✔️軽い負荷で関節運動をする。
- 最初は自動介助運動などの非常に軽い感動から開始し、徐々に増やしていきましょう。
- あの痛みが起こるかも…。という不安を出さないようにする事も大切です。
まとめ
- 筋スパズムは痛みを契機に起こっている。
- その痛みにより筋紡錘の感度が上昇し、常に筋肉が収縮している。
- これは悪循環に陥りやすい。
- 治療では絶対に痛みを出さないこと。
- 反射を用いて筋を弛緩させることが有効。
- 軽い負荷の運動で開始して徐々に負荷を上げること。