はじめに
理学療法士にとって、ティルトテーブルは重要なツールの一つです。
初めて聞いたという方に、ざっくり起立台を説明すると、傾斜角度を自由に設定して、寝たままの状態で立つ練習ができる可動式のベッドのことを指します。
この記事では、ティルトテーブルの活用方法ついて焦点をあて詳しく説明します。
起立台(ティルトテーブルまたはチルトテーブル)を使用してリハビリを行った経験はございますか?
使用したことはなくても理学療法士、作業療法士、もしくは学生の方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
僕は急性期の病院でしか勤務したことがありませんが、学生時代に実習で行った病院にはどこにも起立台は導入されておりました。急性気から慢性期にかけて幅広く使用されている印象があります。
姿勢制御の向上から感覚統合の促進まで、さまざまな方法でティルトテーブルを活用して患者さんのリハビリテーションプロセスをサポートする手法を紹介します。
ティルトテーブルをどのような場面で活用するか
理学療法士の役割は、患者さんのリハビリテーションプロセスを支援し、機能的な回復を促進することです。
その中で、ティルトテーブルは有用なツールの一つとして広く活用されています。以下では、理学療法士がティルトテーブルを活用して患者のリハビリテーションをサポートする方法について詳しく見ていきましょう。
1. 姿勢制御の向上
ティルトテーブルは、患者の姿勢制御を向上させるのに役立ちます。
特に、脳卒中後の患者や脊髄損傷患者など、姿勢不安定な患者にとって重要です。テーブルの傾斜を微調整し、患者さんの姿勢安定化を図るトレーニングを行います。
例えば、テーブルの傾斜をつけ、立位に近しい姿勢にすることで立位姿勢を維持する能力の向上を目指します。
2. 重力に対する耐性の向上
ティルトテーブルを使用することで、患者さんの重力に対する耐性を向上させることができます。
例えば、起立性低血圧などの身体生理的機能が低下している場合や、運動麻痺や筋力低下により重力がかかってだけで姿勢が崩れていまう場合に有効です。
テーブルの傾斜を変えることで、患者さんは徐々に重力に対する負荷を増やしていきます。
3. 関節可動域の向上
ティルトテーブルは、関節可動域を向上させるためにも使用することが可能です。テーブルの傾斜を利用して、特定の関節や筋肉のストレッチや伸展を行います。
例えば、股関節や膝関節、足関節の可動域を向上させるために、テーブルを傾斜を調整するこで持続的に姿勢保持筋に対するストレッチングを行うことができます。
4. 覚醒度の向上
患者さんの意識レベル、覚醒度に対するアプローチとしてもティルトテーブルは検討できる手段です。
次項目の感覚統合の促通とも関連がありますが、足底からの荷重感覚というのは神経路を通して脳に渡ります。体性感覚入力をきっかけに覚醒を促すことが可能になるわけです。
5. 感覚統合の促進
ティルトテーブルは、患者さんの感覚統合を促進するための有用なツールです。
テーブルの傾斜を変えることで、患者さんは異なる傾斜角度で体験をすることができます。例えば、前庭感覚を刺激を加えたり、前項で述べた荷重感覚、意識にのぼるものや意識にのぼらない感覚への刺激を加えたりも含めて全ての感覚が統合されることが可能です。
適応となる具体例なケース
まとめ
ティルトテーブルは、理学療法士が患者の姿勢制御、重力に対する耐性、関節可動域、活動度、感覚統合を向上させるのに重要なツールです。
理学療法士は、患者の状態やリハビリテーションの目標に応じてティルトテーブルを適切に活用し、安全かつ効果的なリハビリテーションプログラムを提供します。
記事を読んで頂きありがとうございました。