はじめに
心不全は、心臓が効率的に血液を送り出せない状態を指し、日常生活に支障をきたす重篤な疾患です。そんな心不全患者にとって、心臓リハビリは重要です。
かず
この記事では、心不全に対する運動療法の適応と禁忌について挙げてみます。
心不全患者に対するリハビリ
2006年の診療報酬改定によって、慢性心不全患者に対しても心臓リハビリテーション料を算定することが可能となりました。
運動療法の適応となるのは、
病態が安定している慢性心不全となります。
安定しているというのは数週間心不全症状が進行してない状態です。
心不全患者に対する運動療法の禁忌
絶対的禁忌
- 最近3〜5日間で安静時、労作時の心不全症状が進行性に増悪
- コントロール不良の糖尿病
- 急性全身性疾患または感染症
- 急性の塞栓症
- 活動性の心筋炎・心膜炎
- 中等度〜高度の大動脈弁狭窄
- 手術適応の逆流性弁膜症
- 3週間以内の心筋梗塞
- 新規発症の心房細動
相対的禁忌
- 最近1〜3日間での体重1.8kg以上増加
- 持続的なドブタミン治療中
- 運動による収縮期血圧の低下
- NIHA class IV
- 安静時または労作時に危険な不整脈の出現
- 臥位安静時心拍数100/分以上
- 以前より有する疾患の状態(貧血、喘息、COPD等)
運動療法を中止すべき基準
- 著明な息切れ、倦怠感(Borg指数14以上)
- 運動中の呼吸数40/分以上
- III音または肺ラ音の出現
- 肺ラ音の増強
- 脈圧の減少(10mmHg未満)
- 運動によるPAC・PVCの増加
- 意識混濁
運動療法中の注意して観察する点
- 自覚症状:活動中の息切れ倦怠感
- 他覚所見:顔面蒼白、浮腫増強など
- 体重:2.3日で約2キロ以上の増加
- 安静時HR
- BNP値:変化に気を配る
- 胸部単純X線、心臓エコー検査
情報が役立つことを願っています。
今後も一緒に成長しましょう。