【新人PT必見】人工呼吸器の設定、これだけは押さえよう!リハビリが変わる基礎知識

呼吸リハビリ

はじめに

急性期病棟やICUで人工呼吸器を装着した患者さんを担当する際、「アラームが鳴ったらどうしよう」「設定の意味が分からなくてリハビリを進めていいか不安」と感じたことはありませんか?

実は、理学療法士が人工呼吸器の設定を理解していると、リハビリの安全性と効果は劇的に向上します。

今回は、PTがなぜ設定を知る必要があるのか、そして最低限どこを見るべきなのかを分かりやすく解説します。

理学療法士が人工呼吸器の設定を知るべき理由

「設定を変えるのは医師や臨床工学技士(CE)の仕事だから、PTは見なくていい」というのは大きな間違いです。PTが設定を把握すべき理由は主に3つあります。

リスク管理(生命の安全を守る)

リハビリによって酸素消費量が増えた際、今の設定で十分な換気が保てるのかを判断する必要があります。設定を知らなければ、知らないうちに患者さんを低酸素状態や肺損傷のリスクにさらしてしまう可能性があります。

運動負荷量の適切な決定

「呼吸器が助けてくれている量」が分かれば、患者さんの自力での頑張り具合が分かります。

  • サポートが強い: 運動負荷を上げても全身状態が崩れるリスクは比較的低めと予想できる。
  • サポートが弱い: 少し動くだけで呼吸筋疲労を起こすリスクがあると予想できる。

このように、設定は「リハビリの強度」を決める重要な指標になります。

離脱(ウィーニング)への関わり

人工呼吸器からの離脱は、リハビリの大きなゴールの一つです。設定が徐々に下がっている(自発換気が増えている)ことを確認できれば、離脱に向けたADL練習への自信に繋がります。

最低限知っておくべき「3つの換気モード」

まずは、代表的な3つのモードを整理しましょう。

モード名特徴PTの視点
A/C (アシストコントロール)すべての呼吸を機械がサポートする全介助状態。まずは離床の第一歩として。
SIMV (同期的間欠強制換気)強制換気と自発換気を組み合わせる自発呼吸を促す段階。リハ中の疲労に注意。
CPAP/PS (シーパップ/PS)すべて自発呼吸。機械は補助のみ離脱直前。最も呼吸筋を使うため慎重に。

リハビリ前に必ずチェックする「4つの数値」

ベッドサイドに行ったら、モニターのここをチェックしましょう。

FiO_2(吸入気酸素分率)

意味: 空気中の酸素濃度(21〜100%)。

PTの注目点: 60%(0.6)以上の場合は、酸素化が不安定です。リハビリによる酸素消費の増加に耐えられない可能性が高いため、離床は慎重に判断します。

PEEP(呼気終末陽圧)

意味: 息を吐いた後も肺が潰れないようにかける圧。

PTの注目点: 通常は5cmH_2O程度ですが、10cmH_2Oを超えている場合は重症度が高いサインです。体位変換だけで血圧や酸素飽和度が変動しやすいので注意が必要です。

プレッシャーサポート(PS)

意味: 自発呼吸に対して、機械が「吸う力」を後押しする圧。

PTの注目点: PSが下がってきているのは、自力で吸う力がついてきた証拠です。逆にリハ中にPSを上げなければならない場合は、負荷が強すぎると判断します。

分時換気量(MV)と呼吸数(RR)

意味: 1分間に吸い込む空気の総量と回数。

PTの注目点: リハ中に呼吸数が急増したり、分時換気量が減ったりする場合は、呼吸困難が生じているサインです。

リハビリ中にアラームが鳴った時の対応

アラームが鳴っても慌てないでください。まずは**「患者さんの顔」**を見ます。

高圧アラーム: 痰が詰まっている、回路を噛んでいる、または「いきみ」によるものが多いです。吸引やリラックスを促すことで解消することがあります。

低換気アラーム: 回路の抜け、または疲労による自発呼吸の低下が考えられます。すぐにバイタルを確認し、必要に応じてスタッフを呼びましょう。

まとめ:設定を知ればリハビリはもっと攻められる!

人工呼吸器の設定は、患者さんの「今の体力」を教えてくれる通信簿のようなものです。数値を読み解くことができれば、過剰な安静を避け、安全に最大限のリハビリテーションを提供できるようになります。

まずは、担当患者さんの FiO_2 とモードを確認することから始めてみませんか?

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