【実話】リハビリの「セラピストガチャ」は本当にある?当たり外れのリアルと後悔しない対処法

日記

はじめに:リハビリの「当たり外れ」、感じたことありませんか?

「今回の担当さん、すごく良い人だった!」
「前の先生のほうが、話しやすかったな…」

リハビリを受けている中で、担当のセラピストによって満足度ややる気が大きく変わった経験はありませんか?

実はリハビリの現場では、この「担当者による違い」を、スマホゲームの用語になぞらえて「セラピストガチャ」と呼ぶことがあります。

もちろん、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は全員が国家資格を持つプロフェッショナルです。しかし、経験や人柄、得意分野によって、患者さんが感じる「相性」や「リハビリの質」に差が生まれるのは紛れもない事実。

この記事では、リハビリの現場で実際に起きている「セラピストガチャ」のリアルな実態と、患者さんが「ハズレかも…」と感じた時に後悔しないための具体的な対処法を、前向きな視点でお伝えします。

なぜ担当者で大違い?「セラピストガチャ」が起きる3つの理由

同じ病院、同じ資格を持った専門家のはずなのに、なぜ「ガチャ」と呼ばれるほどの違いが生まれるのでしょうか。

その背景には、いくつかの構造的な理由があります。

理由1:担当を選べない「シフト制」という現実

多くの病院や施設では、患者さんが担当セラピストを自由に指名できるわけではありません。スタッフのシフトや担当患者数の都合で、日によって担当が変わることも珍しくありません。
この「誰に当たるか分からない」という仕組みそのものが、ガチャと感じさせてしまう一番の要因ではないでしょうか。

理由2:セラピスト個人の「経験」と「専門性」の違い

セラピストと一口に言っても、キャリアは様々です。

  • 整形外科の術後リハビリを数多く経験してきた人
  • 脳卒中後の麻痺の回復を専門にしてきた人
  • 高齢者の生活支援や在宅復帰に強い人

このように、得意分野や臨床経験の引き出しが異なります。あなたの症状や目標と、担当セラピストの得意分野がマッチした時、それは「当たり」に感じられると思います。

理由3:「学び続ける姿勢」の差がサービス品質になる

これが最も大きな差かもしれません。資格取得後も、

  • 定期的に勉強会や研修に参加している
  • 最新の医学論文や文献を読み込んでいる
  • 臨床での課題を常に振り返り、改善しようとしている

このような自己研鑽を続けるセラピストと、そうでないセラピストとでは、年々提供できるリハビリの質に差が生まれます。

説明の分かりやすさ、リハビリ内容の根拠、提案の幅などに、その差はハッキリと表れます。今後、そんなテーマの研究が現れたら面白そう!と個人的には思っています。

本当にあった「セラピストガチャ」のリアルな声

私が現場で耳にした、患者さんのリアルな声をご紹介します。

【“ハズレ”だと感じた声】

  • 「質問しても、なんだか面倒くさそうに返事をされる…」
  • 「してほしいリハビリを伝えたのに、『それは意味ない』と流されてしまった」
  • 「専門用語が多くて、説明が全く頭に入ってこなかった」

【“当たり”だと感じた声】

  • 「私の『こうなりたい』という目標をしっかり聞いて、一緒に計画を立ててくれた」
  • 「体の仕組みから丁寧に教えてくれて、リハビリの意味がよく分かった」
  • 「代わりに来てくれた先生のほうが相性が良かった。できれば担当を変えてほしい」

このように、同じリハビリ室でも、担当者によって患者さんの満足度は天と地ほど変わってしまうのです。

【患者さん向け】もう運任せにしない!「ハズレ」を「当たり」に変える3つの方法

「ガチャだから仕方ない…」と諦める必要はありません。患者さん側からできる、前向きなアクションがあります。

方法1:「希望」と「不安」を具体的に伝える勇気を持つ

「先生に悪いから…」と遠慮してしまう気持ちはよく分かります。しかし、黙っていてはセラピストにあなたの本当の気持ちは伝わりません。

  • 「もっと歩く練習がしたいです」
  • 「家のこの段差が不安なので、練習できませんか?」
  • 「このリハビリが何に効くのか、もう少し詳しく教えてください」

このように具体的に伝えることで、セラピストはあなたの目標を理解し、リハビリの方向性を修正してくれます。良いセラピストほど、患者さんの声を歓迎するものです。

方法2:どうしても合わない時は「担当変更」を相談する

勇気を出して伝えても改善しない、あるいはどうしても人として相性が合わない…。そんな時は、担当の変更を願い出ることも正当な権利です。

看護師長さんやリハビリ科の責任者、あるいは受付のスタッフに「相談したいことがあるのですが…」と切り出してみましょう。

その際は、感情的に「あの人はダメだ」と言うのではなく、「〇〇という理由で、リハビリに前向きになれないので、担当の方を替えていただくことは可能でしょうか」と冷静に伝えるのがポイントです。

方法3:「良いセラピスト」か見分けるための小さなヒント

これからリハビリが始まる、あるいは担当が変わった際に、相手が自分にとって「当たり」かどうかを見分けるヒントがあります。

  • あなたの目標を最初に聞いてくれるか?(「何ができるようになりたいですか?」など)
  • リハビリの目的や根拠を説明してくれるか?
  • あなたの質問に真摯に耳を傾けてくれるか?

この3つがしっかりしているセラピストは、あなたと向き合おうとしてくれている証拠です。

【セラピスト向け】「ガチャ」と言わせない!信頼されるための努力

一方で、私たちセラピストも「ガチャ」という言葉を真摯に受け止め、患者さんに「当たりだ」と思ってもらえる努力を続ける必要があります。

  • 傾聴力 患者さんの言葉の裏にある本当の願いや不安を丁寧に聞き取る。
  • 説明力 専門用語を避け、誰にでも分かる言葉で納得感のある説明をする。
  • 自己研鑽 常に最新の知識を学び、技術を磨き、臨床の引き出しを増やす。

結局のところ、セラピストガチャとは「相性」だけの問題ではありません。患者さんの発信力と、セラピストの努力と誠意が交わったときに、最高の「当たり」が生まれるのです。

まとめ:セラピストガチャは「より良いリハビリ」への気づきのサイン

「セラピストガチャ」という言葉は、少し皮肉っぽく聞こえるかもしれません。しかし、その裏には「リハビリは、人と人との関わりが何よりも大切だ」という本質が隠されています。

担当者によって違いがあるのは事実です。しかし、それを単なる「運」で終わらせないでください。

  • 患者さんは、勇気を出して自分の思いを伝える。
  • セラピストは、「あなたで良かった」と言われる努力を重ねる。

この両輪がうまく回ったとき、「ガチャ」で偶然引いた出会いは、あなたの人生を支える**「最高の出会い」**に変わるはずです。この記事が、あなたのリハビリをより良いものにするための一助となれば幸いです。

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。

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