はじめに:2026年度改定は「質の時代」への完全移行の予感
2026年度の診療報酬改定において、リハビリテーションに関する「短冊(改定案)」が公表されています。日常的にこのリハビリ業界の動向に敏感な方ならもう目にした方も多いのではないでしょうか。
今回のキーワードは「脱・ベッドサイド」と「書類の断捨離」です。
単に20分のリハビリを提供する時代は終わり、「どれだけ患者を動かし、どのような結果を出したか」が厳格に問われるようになってきそうです。
現場のPTが明日から意識すべき4つのポイントについて整理してみます。
ベッドサイド中心のリハに「NO」:離床なきリハの減算規定
今回の改定で最も現場に激震が走るのが、「離床なきリハ」への減算です。
- 減算の対象: 特定の疾患別リハビリにおいて、患者がベッドから離れずに20分以上の個別療法を受けた場合、所定点数が減算されます。
- 算定単位の制限: このようなケースでは、1日の算定上限が「2単位」までに厳格化されます。
- 現場への影響: これまで「まずはROM(関節可動域訓練)から」とベッド上で時間をかけていた介入は、経営的にも治療的にも見直しを迫られる可能性があります。

ポイント: これからは「いかに早く離床させ、ADL(日常生活動作)に繋げるか」という攻めの姿勢が、セラピストの評価に直結します。
書類業務がスリムに!評価料の一本化と再編
「書類作成が多すぎて介入時間が削られる」という悩みに対し、国がついにメスを入れました。
- 目標設定等支援・管理料の廃止: 煩雑だったこの管理料が廃止され、「リハビリテーション総合計画評価料」へ一本化されます。
- 「初回」と「2回目以降」の区分: 計画策定の手間を考慮し、初回介入時をより高く評価するメリハリのある体系になります。
これにより、未算定による減算リスクが消え、より本質的な「リハ計画の質」に注力できる環境が整います。
「病棟リハ」の価値が向上:看護・多職種協働加算の新設
リハ室にこもるのではなく、病棟で看護師と協働する動きが正当に評価されます。
• 新設:看護・多職種協働加算
急性期一般入院料4や精神病棟において、PT・OT・STを病棟に配置し、日常生活上のケアを共同で行う体制が評価されます。
• 多職種連携が「義務」から「武器」へ: 専門職が病棟のチームの一員として、食事や排泄、移動の場面に直接介入することが、病院の収益にも貢献する形になります。
結果(アウトカム)評価の本格導入
「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」において、より高い成果を求める「加算2」が新設されます。ここでは、厳しい実績要件が並びます。

まとめ:2026年度を生き抜く理学療法士の戦略
2026年度改定は、単にリハビリを行うだけでなく、「いかに離床を促し、具体的な成果(アウトカム)を出すか」、そして「多職種でいかに効率的に動くか」が強く求められる内容となっています。
現場の療法士にとっては、書類業務の整理が進む一方で、より質の高い介入と結果が重要視される時代になると言えるのではないでしょうか。
