こんな悩みはありませんか?
「患者さんの歩行、どこから評価すればいいんだろう…」
「教科書で学んだ知識が、いまいち臨床に繋がらない…」
新人・若手の理学療法士・作業療法士の皆さん、そして歩行観察・分析を学び直したいと思っている皆さん。そんな悩みを抱えていませんか?
歩行は、私たちが日々向き合う基本的な動作。しかし、その分析は非常に奥深く、単に「足の動き」だけを見ていては本質を見逃してしまいます。
もし、歩行をたった2つのユニットに分けて考えるだけで、観察の視点がクリアになり、臨床推論が劇的に進むとしたらどうでしょう?
この記事では、あなたの歩行観察・分析の”見方”に新しい視点を加える、「パッセンジャーユニット」と「ロコモーターユニット」という画期的な考え方をご紹介します。
歩行観察・分析が難しい…その理由は「全体像」の捉え方にあった
歩行は、足だけでなく、骨盤、体幹、腕、そして頭部まで、全身が協調して行われる高度な運動です。だからこそ、
- 観察すべきポイントが多すぎる
- どこに問題の原因があるのか特定しにくい
- 知識が断片的で、統合的な解釈ができない
といった壁にぶつかりがちです。
大切なのは、木を見て森を見ずの状態から脱却し、身体全体を機能的なまとまりとして捉えること。そのための強力な武器が、今回ご紹介する「2つのユニット」なのです。
歩行をシンプルに捉える鍵:「運ばれる側」と「運ぶ側」
正常歩行を理解する上で、身体を以下の2つのユニットに分けて考えてみましょう。
- パッセンジャーユニット(Passenger Unit):運ばれる側
- ロコモーターユニット(Locomotor Unit):運ぶ側
この視点を持つだけで、複雑に見えた歩行が驚くほどシンプルに整理されます。
まず、パッセンジャーユニットとは、頭部・頸部・体幹・両上肢から構成される部分です。HATユニット(Head, Arms, Trunk)とも呼ばれます。
その名の通り、このユニットは歩行中に自ら推進力を生み出すというより、下肢(ロコモーターユニット)によって「運ばれている乗客」と考えることができます。
驚くべきことに、このHATは身体総質量の約70%を占める、非常に重い集合体です。
考えてみてください。私たちは歩くとき、この重たい上半身を、いかに効率よく、安定させて運ぶかという課題に常に直面しているのです。このユニットが不安定だと、ふらつきや非効率な歩行に直結します。
では、この重たい「乗客」を安定させるために、身体はどのような役割を果たしているのでしょうか?
- 骨盤と体幹の筋活動により、脊柱のアライメントを保つ
- 頭部の揺れを最小限に抑え、視線や平衡感覚を安定させる
- 腕の振りが、実は歩行のリズムとバランス調整に不可欠
これらの具体的なメカニズムや臨床での評価ポイントを知ることは、体幹機能やバランス能力に問題を抱える患者さんへのアプローチに直結します。
▼この先が知りたい方は…
- なぜ体幹の安定性が歩行に不可欠なのか?
- 上肢の振りが止まると、歩行にどんな影響が出る?
- 臨床でパッセンジャーユニットをどう評価・介入する?
これらの答えは、専門家向けの深掘り解説記事で詳しくご紹介しています。
次に、ロコモーターユニットです。これは両下肢と骨盤から構成され、歩行の原動力を担う**「エンジン」であり、車で言えば「足回り」**の部分です。
主な役割は以下の通りです。
- 重たいパッセンジャーユニットを支える
- 地面を蹴って推進力を生み出す
- 着地時の衝撃を吸収する
- 片脚で全体重を支え、もう一方の脚を振り出す
特に重要なのが「骨盤」の動きです。骨盤が左右の下肢を繋ぎ、滑らかに回旋することで、効率的で美しい歩容が生まれます。
この「エンジン」部分の機能が一つでも欠ければ、推進力の低下、不安定性の増大、そして痛みなど、さまざまな問題を引き起こす原因となります。
【ここからが本番】臨床で本当に使える知識へ
ここまで、歩行を2つのユニットで捉える基本的な考え方をご紹介しました。
「なるほど、面白い視点だな」
「でも、これを臨床でどう活かせばいいの?」
そう思われたのではないでしょうか。
今回ご紹介した内容は、実は私たちが運営する**理学療法士・作業療法士向けメンバーシップ「臨床理学Lab」**で公開している有料記事のほんの一部です。
この記事の続きでは、教科書だけでは学べない、より実践的な内容を深掘りしています。
🔒 この先の内容をチラ見せ 🔒
- パッセンジャーユニットの役割(完全版)
- 骨盤と体幹の筋活動が、どうやって脊柱をニュートラルに保つのか?(具体的な筋の働き)
- なぜ頭部の安定が重要?頸部への負担を減らすメカニズムとは。
- 上肢の振りが歩行リズムとバランスをどう調整しているのか?
- ロコモーターユニットの4つの基本機能を徹底解説(推進力、衝撃吸収、エネルギー温存の具体的な仕組み)
- 静的・動的安定性の違いと、それを支える足関節・股関節の驚くべき協調動作
- 歩行周期と各関節モーメントの関係(なぜその筋がそのタイミングで働くのかが、図解でスッキリわかる!)
- ケーススタディで学ぶ、実際の臨床推論プロセス
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