こんな悩みはありませんか?
「自験例レポート、何をどう書けばいいかわからない」
「データは揃っているのに、うまくまとめられない」
「考察をどう書いたら評価されるのか検討がつかない」
心臓リハビリテーション指導士(心リハ指導士)の試験申請に向けて、こうした悩みを抱えているスタッフも少なくないと思います。
自験例レポートには「評価される書き方の型」があります。今回の記事では、その全体像をわかりやすく解説します。
自験例レポートとは何か
心リハ指導士の受験申請には、自験例報告書(10症例)の提出が必要です。
これは単なる症例記録ではありません。「自分がどのようにアセスメントし、運動処方を立て、患者を教育・支援したか」を示す、臨床思考力の証明書です。
提出できる症例の条件としては、心大血管リハビリテーション料の対象疾患(急性心筋梗塞・慢性心不全・開心術後など)であること、急性期・回復期・維持期のいずれのフェーズでも可であること、心リハ開始後150日以内が望ましいことなどがあります。
報告書の構成:6つのセクション
自験例報告書は以下の構成が基本になります。それぞれのセクションで「何が問われているか」を理解することが、記載の質を上げる第一歩です。
① 診断名・保険適応病名・時期
心大血管リハビリテーション料の対象疾患名と、急性期・回復期・維持期のどのフェーズかを明記します。
② 既往歴・家族歴・現病歴
心リハに必要な情報を3行程度で簡潔にまとめます。発症からリハビリ開始までの流れが伝わることが大切です。
③ 評価(5項目)
身体所見・心機能・運動耐容能(運動負荷試験)・冠危険因子・その他の5項目を記載します。特に運動処方に必要な客観的データは必須です。
④ リハビリ進行上の考慮点
内服薬の影響・生活環境・精神心理面など、安全なリハビリに影響する要素を記載します。ここを丁寧に書くと、続く運動処方に一貫性が生まれます。
⑤ 運動処方・患者教育
運動負荷試験の結果に基づいた処方(強度・時間・頻度・期間)と、その患者に固有の指導内容を具体的に記載します。一般論の羅列は評価されません。
⑥ 考察
良かった点・反省点・問題点・今後の課題を記載します。レポートの核となるセクションで、ここの充実度が評価を大きく左右します。
「評価されるレポート」と「そうでないレポート」の差
多くの受験者がやりがちなのが、検査データや治療内容の羅列で終わってしまうことです。
評価されるレポートには、以下のような視点が一貫して流れています。
心リハの観点からどう関与したか。患者がリハビリを通じてどう変化したか。冠危険因子・患者教育・多職種連携・社会復帰支援まで包括的に関わっているか。失敗例や反省点も含めて正直に書かれているか。
「運動療法をやりました」という記録ではなく、「この患者に対して、なぜこの処方にしたか・どう教育したか・チームとしてどう動いたか」という思考のプロセスが問われているのです。
考察は「反省点も書く」ことが大事
考察は苦手な受験者が多いセクションです。良かった点だけを書いてしまいがちですが、審査では問題点や反省点、今後の課題まで書かれているレポートが高く評価される傾向があります。
たとえば「うつ傾向のスクリーニングが遅れた」「かかりつけ医との連携が不十分だった」「退院後のフォローアップ体制に課題が残った」といった内容を、次への改善策とともに書くことで、臨床的な思考力と誠実さが伝わります。
ケーススタディで「型」を身につける
報告書の書き方を最も効率よく習得できるのは、実際の症例を使った練習です。
急性心筋梗塞PCI後・回復期の58歳男性を例に、CPXデータの読み方から運動処方の立て方・患者教育の内容・考察の書き方まで、報告書の全セクションを実際の記載例とともにまとめたnote記事を公開しています。
試験対策として活用できるのはもちろん、日々の臨床でのアセスメントや患者教育の参考にもなる内容です。自験例のまとめ方に迷っている方は、ぜひ一度ご覧ください。

まとめ
心リハ指導士の自験例レポートで大切なのは、データの羅列ではなく「心リハの観点からの関与」を伝えることです。
構成の型を理解し、ケーススタディで実際の記載例を参照しながら練習することで、書き方のコツは必ず身につきます。まずは自分の担当症例を6つのセクションに当てはめて書き出してみることが、最初の一歩になります。
※本記事で紹介している症例はすべて架空の教育用コンテンツです。
参考:「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」
