【国家試験・臨床にも活かす】アレルギー反応の基礎についてクームスとゲルの分類をわかりやすく解説

基礎知識

はじめに

免疫学やアレルギーの話は、カタカナ用語が多くて苦手……

理学療法士(PT)を目指す学生さんや若手の先生の中で、そう感じている方はいませんか?

しかし、アレルギー反応(過敏症) は、理学療法士・作業療法士国家試験で頻出の分野であり、かつ臨床現場でのリスク管理においても避けては通れないテーマです。

今回は、国家試験によく出る「クームスとゲルの分類」を中心に、PTが押さえておくべきアレルギー反応の基礎をわかりやすく解説します。

アレルギー反応とは何か?

私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物(抗原)が入ってきた際に、体を守ろうとする「免疫」というシステムが備わっています。

通常、免疫は体を守る味方ですが、特定の異物に対して免疫反応が過剰に働きすぎてしまい、逆に自分の体を傷つけてしまうことがあります。これをアレルギー反応(過敏症)と呼びます。

基本的に「抗原抗体反応」がベースになりますが、どの抗体が関わるか、どの細胞が関わるかによって、大きく4つのタイプに分けられます。

【最重要】クームスとゲルの分類を整理しよう

国家試験対策として絶対に暗記しなければならないのが、Coombs & Gell(クームスとゲル)の分類です。I型からIV型まであり、それぞれの特徴(関与する抗体や代表疾患)を整理することが合格への近道です。

I型アレルギー(即時型・アナフィラキシー型)

  • 特徴: 抗原が侵入してから数分〜数十分と、すぐに反応が出るのが特徴です。
  • メカニズム: 抗原に対してIgE抗体が反応し、肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
  • 代表疾患
    • 気管支喘息
    • アレルギー性鼻炎(花粉症)
    • 蕁麻疹(じんましん)
    • アナフィラキシーショック
    • アトピー性皮膚炎(※I型とIV型の関与があると言われます)

PT国試ポイント:「I型=IgE抗体=即時型=ヒスタミン」のセットで覚えましょう!

II型アレルギー(細胞傷害型)

  • 特徴: 抗体が自分の細胞を「敵」とみなして攻撃・破壊してしまいます。
  • 関与抗体: IgG、IgM

代表疾患:

• 血液型不適合輸血

• 自己免疫性溶血性貧血

• 重症筋無力症(※V型として分類されることもありますが、国試レベルではII型の機序に近いと理解しておきましょう)

III型アレルギー(アルサス型・免疫複合体型)

特徴: 抗原と抗体が結合した「免疫複合体」が組織に沈着し、炎症を起こします。

関与抗体: IgG、IgM

代表疾患:

• 糸球体腎炎

• 全身性エリテマトーデス(SLE)

• 関節リウマチ

IV型アレルギー(遅延型・細胞免疫型)

特徴: 反応が出るまでに24〜48時間かかります。他のI〜III型が「液性免疫(抗体が主役)」であるのに対し、IV型は**「細胞性免疫(感作Tリンパ球が主役)」**であることが最大の違いです。

関与細胞: 感作Tリンパ球、マクロファージ(※抗体は関与しません!)

代表疾患:

ツベルクリン反応

接触性皮膚炎(かぶれ)

• 移植片拒絶反応

覚え方のまとめ(比較表)

国家試験直前の復習用に、この表を活用してください。

分類名称反応時間主な関与因子
I型即時型
アナフィラキシー型
即時
(数分〜)
IgE抗体
肥満細胞
ヒスタミン
II型細胞傷害型数時間IgG, IgM抗体
補体
III型アルサス型
免疫複合体型
数時間IgG, IgM抗体
免疫複合体
IV型遅延型
細胞免疫型
遅延
(1〜2日)
感作Tリンパ球
マクロファージ
(抗体なし)

理学療法臨床でのリスク管理

国家試験だけでなく、臨床に出た後もこの知識は重要です。

運動誘発性アナフィラキシー

特定の食物を摂取した後に運動を行うことで、アナフィラキシー(I型)が誘発されることがあります。患者さんの既往歴や食事のタイミングに注意が必要です。

ラテックスアレルギー(I型・IV型)

ゴム製品に対するアレルギーです。

I型反応: 天然ゴム手袋やセラバンドを使用してすぐに蕁麻疹や呼吸困難が出る。

IV型反応: 接触部位がかぶれる(接触性皮膚炎)。

リハビリで使用する道具(バランスボールやゴムバンド)の素材確認は必須です。

テーピングによる「かぶれ」(IV型)

キネシオロジーテープなどを貼った翌日や2日後に皮膚が赤くなるのは、IV型アレルギー(接触性皮膚炎)の典型例です。「遅れてやってくる」ことを患者さんに説明し、観察する必要があります。

国家試験で問われるポイント

最後に、過去問の傾向から「ここだけは間違えてはいけないポイント」を挙げます。

「IgE抗体」ときたら「I型」

「T細胞(細胞性免疫)」ときたら「IV型」

「ツベルクリン反応」は「IV型」

「即時型」以外は反応に時間がかかる

特に、I型とIV型の違いを問う問題が非常に多いです。この2つを優先的に覚えましょう。

まとめ

アレルギー反応は、生体防御反応の暴走です。

理学療法士としては、まずは「クームスとゲルの分類」をしっかりと頭に入れ、どの疾患がどのタイプに当てはまるかを整理しておきましょう。

これが理解できると、国家試験の「免疫・病理」の点数が安定するだけでなく、臨床で患者さんの皮膚トラブルや急変リスクに気づけるようになります。

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