【保存版】“忙殺されないPT”になる!急性期病院で実践している時間管理術5選

✅はじめに|急性期で働く理学療法士は「時間との闘い」

急性期病院で働く理学療法士の皆さん、日々の業務にこんなふうに感じたことはありませんか?

  • 「朝一の情報収集から始まり、介入・記録・回診・カンファレンス…一息ついたらもう夕方」
  • 「あの患者さん、今日もちゃんと介入できなかった…」
  • 「評価も記録も中途半端。リスク管理もおろそかになっている気がする…」

僕自身、新人時代は(今でも解決できていない部分も多いですが…)この“時間に追われる焦燥感”に、毎日押し潰されそうになっていました。

でもある時、「このままだと、自分が壊れる」と本気で思ったのです。

本記事では、そんな僕が、実際に現場で試行錯誤しながら身につけた**“急性期で消耗しない時間管理術”**を、5つの視点からご紹介します。

臨床理学Lab|リハの地図~学びnote~
**「臨床理学Lab」**は、理学療法における基本的な知識の向上に加え、評価と臨床推論の強化を目的としたメンバーシップです。「なぜこの評価をするのか?」「その結果から何がわかり、どう治療に活かせるのか?」深く掘り下げ、現場で実践できる力を養...

① 忙殺されていた新人時代の失敗談|“やるべきこと”が雪だるま式に増えていく

急性期に配属されたばかりの頃、僕は何でもかんでも自分でやろうとしていました。

  • 「術後1日目の介入も、3日前の評価フォローも、急変後の再評価も…全部、自分が動かないと!」
  • 「患者さんのことをよく知るには、毎日必ず1回は顔を出さなきゃ」
  • 「評価はしっかり、記録は丁寧に、カンファもちゃんと出ないと…」

その“まじめさ”が、逆に自分の首を絞めていたんです。

結果、どうなったかというと…

  • 毎日15人近い患者のスケジュールに追われ、昼食を食べる時間もなし
  • 記録は夕方まとめ書き、臨床推論どころではない
  • 急変時や家族対応など“突発的なこと”が入ると、すべてが後ろ倒しに

患者さんにとって必要なことを見極める余裕がなく、ただ“こなすだけの仕事”になってしまっていた自分に、ある日ふと気づきました。

② 現在の一日の動き|実際のタイムスケジュールを公開!

今の僕は、“戦略的に動く”ことを意識して1日を設計しています。

その結果、時間に追われるのではなく、自分で時間を「選ぶ」働き方ができるようになりました。

以下が、現在の1日のスケジュールの一例です。

時間帯内容
7:50〜出勤・情報収集・電子カルテ確認(Dr.指示・バイタル・画像など)・1日のスケジュール確認
8:30〜朝礼
8:40〜診療開始
9:00【優先①】術後早期患者の初回介入:バイタル確認・離床誘導
9:45多職種連携
10:00【優先②】救命センターやICUなど、集中治療室管理中の患者への介入
10:40リハビリカルテ記録(この時間に一部完了させる)・情報共有
11:00午前中残り患者の診療
12:15昼食
12:40午後のスケジュール調整・情報収集
13:00ADL訓練(歩行・トイレ動作等)+自主トレ確認
14:40中止患者等整理・スケジュール調整・一部リハビリカルテ記録
15:00午後の残り患者診療
16:40〜リハビリカルテ記録
17:15計画書等の書類業務
17:45翌日のスケジュール調整
18:00退勤

重要なのは、「介入」と「記録」「共有」「調整」を明確にブロックで分けていること。

これにより、突発対応が入っても柔軟にリスケできる余白が生まれました。

③ ToDo管理より、“決め打ちスケジュール”が効いた!

かつて僕は、毎朝「ToDoリスト」を作っていました。

  • 患者〇〇さん:立位訓練
  • 評価表の記入
  • カンファ用の資料作成
  • 看護師との申し送り
  • 術後2日の離床指導…

でも、このやり方だと、イレギュラーが1つでも起きると、全てが崩壊してしまうんです。

そこで試したのが、「決め打ちスケジュール」という考え方。

✅決め打ちスケジュールとは?

  • 「午前9時〜12時は“介入集中時間”」と時間帯ごとにタスクを固定
  • 午後は「記録・共有・準備」の時間として“空白のブロック”を意識的に作る
  • 介入する時間とカルテ記録時間は別枠で時間ブロック。介入中に簡単なメモをとり、それを記録時に記入。

ToDoリストではなく、「時間ごとの役割ブロック」に切り替えることで、

突発対応に強くなり、介入の質とスピードも安定してきました。

④ あえて“やらないこと”を決める|時間を守る最短ルート

時間術というと「どうやって時間を作るか?」に目が向きがちですが、実はそれよりも大事なのが、「何をやらないかを明確にすること」です。

急性期では、やるべきことが常に増え続けます。

すべてに対応しようとすれば、100%破綻します。

僕が“やらない”と決めたこと

  • 全員に毎日介入しない(症状安定者は介入間隔を見直す)
  • 記録は簡潔に、目的を絞って書く(全てを網羅しようとしない、診療中にたったメモを活用)
  • 完璧な書類作成を求めない(大事なのは“伝わるか”)
  • 他職種の依頼に即答しない

「これは今、やらない」

その判断ができるようになると、自然と“今やるべきこと”に集中できるようになります。

⑤ 忙しい中でも“患者の表情を見る余白”を作る方法

「忙しくて、患者さんの顔が見られなかった…」

これほど、理学療法士として悲しい言葉はありません。

でも現実は、介入→記録→申し送り…と常に動き続ける中で、つい“人”ではなく“業務”を見てしまうこともあります。

僕が実践している“余白を作る”工夫

  • 介入前に深呼吸し、“その人だけ”を見る時間を5秒作る
  • 反応や表情の“変化”を観察する視点を持つ
  • 「今日はどうでした?」と聞いた後の沈黙を待つ
  • 介入中もしっかり”雑談タイム”を取る

これらを実践することにより、本音を引き出す時間になり、患者さんのニーズを深く知るきっかけになることも多いです。

時間を生むのではなく、“余白を意識的に作る”。

それが、介入の質を根本から変える第一歩になります。

🔚まとめ|忙殺されないPTは「仕組み」で動いている

急性期の現場で、時間に追われる感覚から脱却するには、「忙しさを仕方ないと諦めない姿勢」が必要です。

それに加えて、日々の業務に自分なりの“仕組み”を組み込むことがとても重要です。

✅ポイントおさらい

  1. 忙殺された経験から、自分の課題を振り返る
  2. 1日の流れを“ブロック単位”で設計する
  3. ToDoではなく、時間の使い方をパターン化する
  4. 「やらないこと」を意識的に選び取る
  5. 余白を持って、患者さんに本当に向き合う

📣あなたへの問いかけ

「今日、あなたは“誰か”ではなく、“あなた自身の意思”で時間を使えましたか?」

急性期という忙しい環境の中でも、自分らしく働く理学療法士が増えることを願って。

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