MAC法則とは?|理学療法士にこそ向いている目標設定フレーム
MAC法則とは、以下の3要素を重視した目標設定の考え方です。
- M:Measurable(測定可能)
- A:Achievable(達成可能)
- C:Congruent(価値観と一致した・的確な)
実はこの構造、
👉 評価 → 目標設定 → 介入 → 再評価
という理学療法の基本プロセスと非常によく似ています。
つまり、患者に対して自然にできていることを「自分自身」にも使うだけなのです。
ステップ1|目標を「測定可能」にする(Measurable)
理学療法士の目標が曖昧になりやすい理由
よくある目標の例を見てみましょう。
- 「臨床力を上げたい」
- 「勉強を頑張る」
- 「成長したい理学療法士になりたい」
これらは意欲的ですが、測定できないため進捗が分かりません。
OK例(理学療法士向け)
- 月に論文を2本読む
- 週1回、症例の振り返りを文章化する
- 3か月で〇〇評価を10症例経験する
臨床評価と同じで、
「数値化できないものは変化を追えない」
これが目標設定の第一歩です。
ステップ2|目標を「達成可能」にする(Achievable)
高すぎる目標はモチベーションを下げる
「毎日1時間勉強する」
「毎日ブログを更新する」
理想としては素晴らしいですが、忙しい臨床現場では挫折の原因になりがちです。
現実的な設定例
- まずは「週2回15分の勉強」
- 月1本のアウトプットから始める
これは妥協ではなく、戦略です。理学療法でも「負荷量を段階的に調整」しますよね。
ステップ3|目標を「的確」にする(価値観と一致)
なぜその目標を立てたのか?
ここが最も重要です。
- 周囲に評価されたいから?
- 何となく不安だから?
- 本当にやりたいリハビリに近づくため?
例えば、
- 将来、専門性を活かしたPTになりたい
- 発信を通じて影響力を持ちたい
- 働き方の選択肢を増やしたい
この価値観と結びついた目標は、多少しんどくても続きます。
ステップ4|目標達成を「ゲーム化」する
続けているPTは、実は「仕組み」を作っている
モチベーションに頼らず、
- 症例検討1回=経験値+10
- 記事1本=レベルアップ
- 月目標達成=自分へのご褒美
といった形で、行動をゲーム化すると継続しやすくなります。
ステップ5|行動を「習慣化」する
目標は「行動」に落とし込まれて初めて意味を持ちます。
- 勉強 → 帰宅後5分だけ資料を開く
- 発信 → タイトル案だけ書く
小さすぎる行動でOKです。
忙しい理学療法士ほど、この発想が重要になります。
ステップ6|目標達成を「可視化」する
可視化は、自己効力感を高めます。
- チェックリスト
- グラフ
- 手帳・Notion・スプレッドシート
これは、患者さんに対して
「できたことを一緒に確認する」
のと同じ考え方です。
ケース例|MAC法則で変わった理学療法士の目標設定
Before
「勉強を頑張る」「成長したい」
After
- 月2本論文を読む
- 週1回アウトプット
- 3か月後に〇〇分野の記事を5本書く
結果として、
「何をどこまでやったか」が明確になり、
成長実感が得られるようになった。
まとめ|MAC法則は理学療法士の思考そのもの
- 目標設定は特別な才能ではない
- 普段、患者に行っていることを自分に向けるだけ
- 成長できるPTは、目標を「評価可能」にしている
まずは今日、
「今の目標は測定可能か?」
そこから見直してみてください。
