【理学療法士が解説】情報過多で「選べない…」もう決断疲れしない“身体の声”の聞き方

日記



はじめに

SNSを開けば無数の情報、ランチのメニューから人生の大きな選択まで、私たちは毎日何かを選び続けています。

「何か新しいことを始めたいけど、何が本当にしたいか分からない…」
「選択肢が多すぎて、考えすぎて、結局何も行動できなかった…」

そんな風に、頭の中がごちゃごちゃして、ぐったり疲れてしまうことはありませんか?

その正体は、情報の多さによって引き起こされる**「決断疲れ」**かもしれません。

実はその疲れ、頭で考えすぎて、あなたの「身体の感覚」を無視してしまっていることが原因の可能性があります。


この記事では、私の視点から、思考のぐるぐるから抜け出し、自分の「本当の感覚」を取り戻すための、誰でも簡単にできる具体的なワークをご紹介します。

なぜ私たちは「考えすぎて」しまうのか?

現代社会は、常に脳が刺激を受け、思考がフル回転している「情報過多」の状態です。
その結果、意識が頭にばかり集中し、「頭と身体が分断された状態」に陥りがちです。

そうなると、

  • 「なんとなく心地いい」
  • 「こっちのほうが、しっくりくる」

といった、身体が発している繊細なサインをキャッチできなくなってしまいます。

「~すべき(思考)」と「~したい(感覚)」がズレてしまい、知らないうちにエネルギーを消耗し、「決断疲れ」として心と身体に現れてくるのです。

答えはいつも「身体」が知っている

私がリハビリの現場で大切にしているのは、患者さん自身が「自分の身体の感覚」に気づくことです。痛みだけでなく、心地よさや、力の入り具合など、細かな感覚に意識を向けることで、身体は驚くほど良い方向へ変化します。

これは、日常生活でも全く同じです。
「身体の声を聞く」習慣を持つことには、こんなメリットがあります。

  • 直感が冴える:「腹落ちする」「腑に落ちる」という言葉通り、大切な決断は身体で感じるもの。自分の感覚に自信が持てるようになります。
  • 「今、ここ」に集中できる: 過去の後悔や未来の不安といった思考のループから抜け出し、心が穏やかになります。
  • 心に余裕が生まれる: 身体がリラックスすると、心もリラックスします。心にスペースが生まれることで、「本当にやりたいこと」が見つかりやすくなります。

難しく考える必要はありません。まずは、これから紹介する簡単なワークを試してみてください。

今日からできる!思考を止める3つの「身体感覚ワーク」

どれも1分あればできる簡単なワークです。静かな場所で、ぜひ試してみてください。

ワーク1:足の裏で地球を感じる「グラウンディング」

頭に集まりすぎた意識を、大地と繋がる足元へと降ろしていくワークです。思考のぐるぐるを止めたい時に特におすすめです。

【やり方】

  1. 椅子に座るか、立った状態で、両足をしっかりと床につけます。
  2. 軽く目を閉じて、意識を足の裏に集中させます。
  3. かかとの硬さ、土踏まずの空間、指先が床に触れる感覚などを、じっくりと味わいます。
  4. まるで足の裏から根が生えて、地球と繋がっていくようなイメージをしてみましょう。これを1分間続けます。

ポイント: 途中で他の考えが浮かんでも大丈夫です。「あ、考えたな」と気づいたら、またそっと意識を足の裏に戻してあげましょう。

ワーク2:手のひらの温かさに集中する「セルフ・タッチ」

自分の身体に優しく触れることで、安心感を高め、心と身体の緊張をゆるめるワークです。不安や焦りを感じる時に効果的です。

【やり方】

  1. 両手をこすり合わせて、手のひらを少し温めます。
  2. その温かい手で、自分のお腹や胸、肩など、今「疲れているな」と感じる場所にそっと触れます。
  3. 手のひらの温かさが、身体にじんわりと伝わっていく感覚を味わいます。深い呼吸を繰り返しましょう。

ポイント: 「いつもありがとう」と、自分の身体を労わる気持ちで行うと、よりリラックス効果が高まります。

ワーク3:呼吸と身体の動きを観察する「1分間ボディスキャン」

思考から離れ、身体の内側で起きている自然な感覚に意識を向ける練習です。「自分のやりたいことがわからない」と感じる時におすすめです。

【やり方】

  1. 楽な姿勢で座り、目を閉じます。
  2. 息を吸うとき、お腹や胸はどのように膨らむでしょうか?
  3. 息を吐くとき、肩の力はどのように抜けていくでしょうか?
  4. その身体の動きと感覚を、良い・悪いの判断をせず、ただ「実況中継」するように心の中で観察します。

ポイント: 呼吸をコントロールしようとしなくて大丈夫です。ただ、自然に起こっている身体の営みを感じるだけで、思考は静まっていきます。

まとめ

情報が多すぎて決断に疲れたら、それは**「もっと身体の感覚を大切にして」**という、あなた自身からのサインかもしれません。

  • 情報過多で疲れたら、一度思考をストップさせる
  • 答えは外ではなく、自分の「身体の感覚」の中にある
  • まずは1日1分、簡単なワークで身体に意識を向けてみる

あなたの「なんとなく、こっちがいいな」という身体の感覚は、たくさんの情報よりもずっと信頼できる、あなただけのコンパスです。

そのコンパスを大切に磨いていくことが、「ずっとなりたかった自分」に近づくための、一番の近道になりますよ。

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