はじめに
肩関節周囲炎(五十肩)は、中高年を中心に多くの人が経験する疾患であり、疼痛と可動域制限を伴うことが特徴です。
理学療法士として適切なアプローチを選択するためには、エビデンスに基づいた運動療法の知識が不可欠です。
本記事では、肩関節周囲炎に対する運動療法に関する論文を紹介し、その知見を整理します。臨床で活用できるポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事はこんな人におすすめ
1. 理学療法士・作業療法士
- 肩関節周囲炎の運動療法について最新のエビデンスを知りたい
- 病期ごとの適切なリハビリ方法を学びたい
- 臨床でのアプローチの幅を広げたい
2. 理学療法士を目指す学生
- 肩関節周囲炎の知識を深めたい
- 論文ベースの情報を学び、エビデンスに基づいた治療を理解したい
3. 現在リハビリを受けている患者・その家族
- 肩関節周囲炎のリハビリ効果を知りたい
- 自主トレーニングの重要性や、自分でできる運動療法について理解を深めたい
4. スポーツトレーナー・コンディショニングコーチ
- 肩の可動域改善に関するアプローチを学びたい
- スポーツ選手の肩のケアに活かせるリハビリ手法を知りたい

特に、臨床現場で肩関節周囲炎の治療に関わる理学療法士や、最新のエビデンスを学びたい学生には必読の内容となっています!
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運動療法+電気刺激療法の併用効果
論文タイトル:「肩関節周囲炎患者に対する運動療法を併用した電気刺激療法の効果」
概要:70歳代の肩関節周囲炎患者を対象に、運動療法と電気刺激療法の併用効果を検討。可動域(ROM)や疼痛(VAS)の改善が確認され、運動療法単独よりも効果的である可能性が示唆された。
- 筋活動の活性化によるリハビリ効果の向上
- 痛みの軽減と関節可動域の拡大
→ 電気刺激療法を併用することで、筋収縮を補助しながら安全に運動療法を実施できる点がメリットと考えられる。
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肩関節周囲炎の病期に応じた運動療法の実際
論文タイトル:「肩関節周囲炎の病期や機能低下に合わせた運動療法の実際」
概要:肩関節周囲炎の「炎症期、拘縮期、回復期」ごとに適した運動療法を提案。各病期における治療方針の違いが整理されている。
- 炎症期:過度な運動は避け、痛みの管理と軽い可動域訓練を中心に実施
- 拘縮期:徐々に可動域訓練を強化し、関節モビライゼーションを併用
- 回復期:ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせ、正常な肩の動きを取り戻す
→ 病期ごとに適切な運動療法を選択することが、回復を早める鍵となる。
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外来リハビリテーションの短期成績
論文タイトル:「肩関節周囲炎および腱板障害症例に対する外来リハビリテーションの短期成績」
概要:肩関節周囲炎と腱板障害患者を対象に、外来リハビリの効果を検討。短期間での可動域改善と痛みの軽減が確認された。
- 週2回以上のリハビリを継続することで、有意な改善がみられた
- 自主トレーニングの指導が重要(自宅でも運動を継続することで回復を早める)
→ 短期間で効果を出すためには、患者のモチベーションを高め、リハビリの頻度を確保することが重要。
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遠隔部鍼治療+棘上筋トレーニングの効果
論文タイトル:「肩関節周囲炎患者に対する遠隔部鍼治療を用いての棘上筋トレーニングの効果」
概要:鍼治療と棘上筋トレーニングを併用したアプローチを検討。鍼治療によって痛みを軽減しながら、棘上筋の活性化を促進することで可動域が改善した。
- 鍼治療で疼痛閾値を下げることで、リハビリの負担を軽減
- 棘上筋を適切に鍛えることで、肩甲骨と上腕骨の運動パターンが改善
→ 肩関節周囲炎では、痛みを抑えながら筋活動を促すアプローチが有効。
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運動療法のシステマティックレビュー
論文タイトル:「肩関節周囲炎に対する運動療法の効果:システマティックレビュー」
概要:過去の研究を統合し、肩関節周囲炎に対する運動療法の有効性を総括。運動療法は疼痛軽減、可動域改善に有効であり、特に持続的なストレッチが効果的であることが示された。
- 可動域訓練+筋力トレーニングの組み合わせが最も有効
- 疼痛管理が重要(無理な運動は逆効果)
→ エビデンスの蓄積により、運動療法の有効性が再確認された。ストレッチと筋力トレーニングを適切に組み合わせることが、肩関節周囲炎の改善に不可欠。
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まとめ:肩関節周囲炎に対する運動療法のポイント
今回紹介した論文から、肩関節周囲炎の運動療法において重要なポイントを整理すると、
1. 電気刺激療法の併用で筋活動を補助
2. 病期に応じた適切な運動療法を選択
3. リハビリの頻度を確保し、患者の自主トレを促す
4. 疼痛管理を徹底しながら、筋力トレーニングを組み込む
5. 持続的なストレッチと可動域訓練が回復を早める
肩関節周囲炎の治療では、痛みをコントロールしながら、適切な運動療法を進めることが鍵となります。
理学療法士として、最新のエビデンスを活用し、より効果的なリハビリアプローチを実践していきましょう!
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