〜収益化できるのはわずか数%という現実〜
はじめに|副業ブログへの期待と現実のギャップ
「専門知識を活かして副業ブログで稼ぎたい」——そう考える理学療法士(PT)は年々増えています。副業解禁の流れや、医療職の給与頭打ちへの不満を背景に、ブログは低コストで始められる副業として注目されています。
しかし、「思ったより全然稼げない」「1年続けたのに月1,000円にもならない」という声も後を絶ちません。
この記事では、PTがブログ副業を始める前に必ず知っておくべき5つの現実を、包み隠さずお伝えします。夢を壊したいわけではありません。正しい現実を把握した上で戦略的に行動してほしいからです。
| 📋 この記事でわかること: ①医療系ブログがSEOで不利な理由 ②収益化までのリアルな期間 ③ブログで稼げる人の割合 ④PTならではのリスク・注意点 ⑤それでもブログをやる価値があるケース |
理学療法士がブログ副業に注目する理由
まず読者の多くが感じているであろう背景を整理しておきます。
医療職の給与頭打ち問題
理学療法士の平均年収は約430万円前後(厚労省 賃金構造基本統計調査)。経験を積んでも給与の伸びが緩やかで、「もっと収入を増やしたい」という欲求は自然です。
副業解禁の社会的背景
2018年の厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」改訂以降、副業を認める職場が増加。医療業界でも「本業に支障がなければOK」とする施設が増えてきました。
「専門知識 × ブログ」への期待感
「リハビリの知識を持っている自分ならブログで差別化できる」という発想は理解できます。実際、一部のPTはブログで成果を上げています。ただし、それには大きな前提条件があります。それが次に紹介する「5つの現実」です。
【現実①】医療系ブログはSEOで圧倒的に不利
これは最も重要で、かつ見落とされやすいポイントです。
YMYLジャンルとは?
Googleは「Your Money or Your Life(お金・命に関わる情報)」を意味するYMYLと呼ばれるジャンルに対して、特別に高い品質基準を設けています。医療・健康情報はその代表格です。
つまり、リハビリや疾患に関する情報をブログで発信すると、Googleは「これは信頼できるソースか?」を非常に厳しく審査します。
個人ブログが上位表示できない理由
医療情報の検索結果を見てみてください。1〜3位を占めているのは何でしょうか?
● 大学病院・医療機関の公式サイト
● 厚生労働省・国立がん研究センターなどの公的機関
● WebMD・MedicalNote・NHKなどの大手メディア
個人ブログがこれらと戦うのは、地区大会の選手が世界選手権に出場するようなものです。Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)において、国家資格を持つPT個人であっても「個人ブログ」という時点で評価が大幅に下がります。
| 💡 突破口: 「医療情報そのもの」ではなく「PTとしての体験・キャリア・働き方・転職リアル」にジャンルをズラすと、個人ブログでも上位表示が狙えます。「PT 転職 体験談」「理学療法士 勉強法」「リハビリ 患者目線」などは競合が弱いブルーオーシャン領域です。 |
【現実②】収益化までには最低1〜2年かかる
ブログ収益化のリアルなタイムライン
ブログの収益化は「積み上げ型」のビジネスです。下記が一般的なタイムラインです。
| 時期 | アクセス目安 | 収益目安 |
| 開始〜3ヶ月 | ほぼゼロ(修行期間) | 〜数十円 |
| 3〜6ヶ月 | 月数百〜数千PV | 数百〜数千円 |
| 6ヶ月〜1年 | 月1万〜3万PV | 月1,000〜10,000円 |
| 1年〜2年 | 月5万PV〜 | 月1万〜5万円以上 |
PTの本業との両立で直面する時間問題
理学療法士の仕事は体力・精神力を使います。残業、患者対応、記録業務、勉強会……。「記事を書く時間」の確保は想像以上に難しいです。
ブログで成果を出すには週2〜3本の記事投稿が理想とされます。1記事3,000〜5,000字として、執筆・編集・SEO対策で3〜5時間。週15時間以上の作業時間が必要な計算です。本業があるPTにとって、これを1〜2年継続することがどれだけ大変かは言うまでもありません。
【現実③】収益化できるのはわずか数%という現実
ブログ収益化の現実データ
アフィリエイト関連の調査や各種ブログサービスのデータをもとにした推計では、ブログを開設した人のうち1年後も継続している割合は約20〜30%。さらにそのうち月1万円以上を稼げているのは数%程度と言われています。
つまり「100人がブログを始めたとして、1年後に月1万円超えているのは2〜5人」というのが現実です。
| 📊 現実の数字(目安): ブログ開設者のうち、1年後も継続:約25% / 月1万円超え:約3〜5% / 月10万円超え:約1%未満 |
脱落する人に共通するパターン
以下の3パターンが最も多い脱落理由です。
● 【3ヶ月の壁】アクセスが来ないまま諦める(ブログはGoogleに認知されるまで3〜6ヶ月かかる)
● 【ジャンル選びのミス】医療情報で勝負しようとしてYMYLの壁に阻まれる
● 【収益化の仕組み未理解】ただ書き続けるだけで、SEOもアフィリエイトも学ばない
ブログは「正しい方法で継続した人だけが勝てるゲーム」です。感覚任せで記事を書き続けても、残念ながら収益にはつながりません。
【現実④】PTブログならではのリスクと注意点
PTがブログを始める際に特有の注意点があります。見落とすと職場やキャリアに影響する場合もあります。
① 就業規則・副業禁止規定の確認
病院・クリニック・介護施設など医療機関での勤務者は、就業規則で副業が禁止されている場合があります。ブログによる収益が「副業」と見なされ、懲戒処分のリスクがゼロではありません。必ず事前に就業規則を確認し、必要に応じて上長や人事へ相談しましょう。
② 守秘義務・個人情報保護
患者の情報・症例・エピソードをブログに書くのは厳禁です。「個人が特定されない形ならいい」という考えは危険です。理学療法士法や個人情報保護法に抵触する可能性があります。「今日〇〇の疾患の患者さんを担当した」という一文でも、文脈によっては問題になります。
③ 医療広告ガイドラインへの注意
「〇〇の治療で必ず回復します」「当院のリハビリは最高です」といった効果効能の断言や、誤解を招く表現は医療広告ガイドライン違反となる場合があります。医療情報を扱う際は表現に細心の注意を払いましょう。
④ SNS連携時の炎上リスク
ブログとSNSを連携して集客する場合、一般の方が医療情報に過敏に反応して炎上するリスクもあります。「専門家として責任ある発信」という意識を常に持つことが大切です。
【現実⑤】それでもPTがブログをやる価値がある理由
ここまで厳しい現実を並べてきましたが、正しく取り組めばブログは非常に魅力的な副業手段です。
ストック型収入の圧倒的な魅力
ブログは「書いた記事が資産になる」ストック型コンテンツです。1本の記事が毎日アクセスを集め、あなたが寝ている間も収益を生み出す仕組みが作れます。シフト制の本業で疲れていても、ブログは24時間働いてくれます。
PTとしてのブランディング効果
ブログを通じて「PT×〇〇の専門家」としてのポジションを確立できます。転職市場での評価向上、セミナー講師の依頼、書籍執筆のオファーなど、収益以外のキャリア的メリットも大きいです。
「すぐ稼ぎたい」ならブログ×他の副業の組み合わせを
ブログ単体で早期に稼ぐのは難しいですが、他の副業と組み合わせると効果的です。
● 訪問リハビリ・非常勤バイト(即収益化)× ブログ(中長期の資産形成)
● YouTubeやSNS(拡散力)× ブログ(SEO集客)
● オンライン家庭教師・コンサル × ブログ(集客ツールとして活用)
まとめ|ブログを始める前に確認すべき3つのこと
この記事でお伝えした5つの現実をまとめます。
● 医療系情報はYMYLジャンルで個人ブログはSEO的に不利(ジャンル選びが鍵)
● 収益化まで最低1〜2年かかり、継続的な時間投資が必要
● 実際に月1万円以上稼げるのはブログ開設者の数%のみ
● PT特有のリスク(副業規定・守秘義務・医療広告)を必ず事前確認
● 正しい戦略と継続力があれば、ブログはPTに大きな可能性をもたらす
それでもブログを始めたいと思ったあなたへ。始める前にやるべき3つのことを最後にお伝えします。
| Step 1 | 就業規則を確認し、副業が問題ないか確認する |
| Step 2 | 「医療情報」ではなく「PT目線の体験・キャリア・転職」をテーマに設定する |
| Step 3 | SEOの基礎(キーワード選定・記事構成)を学んでから最初の記事を書く |
正しい準備と戦略があれば、理学療法士というバックグラウンドはブログの大きな武器になります。現実を直視した上で、あなたに合ったブログ戦略を立ててください。
