はじめに
理学療法士としての転職や就職活動、特に履歴書の「志望動機」で手が止まっていませんか?
「どんなことを書けばいいか分からない…」
「どの病院・施設でも同じような内容になってしまう…」
多くの理学療法士が抱えるこの悩み。しかし、採用担当者は数多くの履歴書に目を通す中で、ありきたりな志望動機と、熱意が伝わる志望動機を瞬時に見抜いています。
専門職である理学療法士だからこそ、「スキルや経験」に加えて「なぜ、ここで働きたいのか」という想いが合否を分ける重要なポイントになるのです。
この記事では、採用担当者の心に響き、あなたの魅力を最大限に伝えるための志望動機の書き方を、基本のフレームワークからケース別の例文まで徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたの転職・就職活動は大きく前進するはずです。
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志望動機を書く前に!合否を決める「2つの準備」
質の高い志望動機は、いきなり書き始めても完成しません。以下の2つの準備が、ライバルと差をつけるための鍵となります。
準備1:強みと想いを言語化する「自己分析」
まずはあなた自身の棚卸しから始めましょう。以下の点を紙に書き出してみてください。
- 経験・スキル:経験年数、得意な疾患領域(脳血管、運動器、呼吸器など)、用いてきた手技やアプローチ、臨床研究や学会発表の経験
- 強み・得意なこと:患者さんとのコミュニケーション能力、多職種連携での調整力、後輩指導経験、粘り強さ、学習意欲
- 価値観・キャリアプラン:どんな理学療法士になりたいか、どんなリハビリを提供したいか、専門理学療法士など資格取得への意欲
「患者さんの笑顔がやりがい」といった抽象的な言葉だけでなく、「〇〇という工夫で、△△だった患者さんが歩けるようになった時に最もやりがいを感じた」など、具体的なエピソードを思い出して書き出すのがコツです。
準備2:熱意の根拠となる「企業(病院・施設)研究」
次に、応募先のことを徹底的に調べます。「理念に共感しました」の一言で終わらせないために、以下の情報を集めましょう。
- 理念・ビジョン:どんな医療・介護を目指しているのか?
- リハビリテーション部門の特徴:対象疾患、リハビリ単位数、在籍スタッフ数、専門資格を持つPTの有無
- 導入している機器やプログラム:先進的なリハビリ機器、特色あるリハビリプログラムなど
- 教育・研修制度:新人研修、院内勉強会、資格取得支援制度の有無
- 地域での役割:急性期、回復期、生活期(訪問・通所)など、地域でどんな役割を担っているか
公式ホームページや求人票だけでなく、可能であれば施設見学に行きましょう。現場の雰囲気やスタッフの働き方を直接見ることで、志望動機に深みとリアリティが生まれます。
【基本フレームワーク】この構成で書けば伝わる!志望動機の4ステップ
準備ができたら、いよいよ執筆です。以下の4ステップに沿って文章を組み立てることで、誰でも論理的で説得力のある志望動機が書けます。
- 【結論】なぜこの職場を志望したのか
(例:「貴院の『チーム医療で患者様の早期社会復帰を支える』という理念に強く共感し、志望いたしました。」) - 【根拠・具体例】なぜそう思うのか(自己分析と企業研究の接続)
(例:「前職の急性期病棟では、多職種と密に連携し、患者様の状態に合わせたリハビリ計画を立案・実行することに注力してまいりました。特に〇〇の経験から、チームアプローチの重要性を実感しており、貴院のカンファレンス体制は私の経験を最大限に活かせる環境だと確信しております。」) - 【貢献】入職後にどう貢献できるのか
(例:「私が培ってきた運動器リハビリテーションの知識と技術を活かし、チームの一員としてリハビリの質の向上に貢献したいです。また、後輩指導の経験を活かし、組織全体のレベルアップにも寄与できると考えております。」) - 【将来性】今後の意欲とビジョン
(例:「入職後は、まず一日も早く業務に慣れ、戦力となれるよう努めます。将来的には、貴院の資格取得支援制度を活用させていただき、〇〇専門理学療法士の資格取得を目指すことで、より専門性の高いリハビリを提供していきたいです。」)

【ケース別】すぐに使える!理学療法士の志望動機・例文集
あなたの状況に合わせて参考にしてください。
《経験者の転職》
例文1:急性期病院 → 回復期病院へ
貴院が掲げる「患者様一人ひとりの人生に寄り添うリハビリテーション」に強く惹かれ、志望いたしました。前職の急性期病院では、救命と早期離床を最優先に5年間従事してまいりました。多くの患者様を次のステージへ送り出す中で、退院後の生活をより具体的に見据えたリハビリに深く関わりたいという想いが強くなりました。在宅復帰率〇%を誇り、多職種連携による家屋調査や家族指導に注力されている貴院であれば、私の急性期でのリスク管理能力を活かしつつ、患者様の生活再建に貢献できると確信しております。
例文2:整形外科クリニック → 訪問リハビリへ
利用者様の生活の場で、その人らしい暮らしを支える訪問リハビリに挑戦したいと考え、地域に根差したサービスを展開されている貴社を志望いたしました。整形外科クリニックにて、術後からスポーツ外傷まで幅広い患者様を担当する中で、通院が困難になった方や退院後の生活に不安を抱える方を数多く見てきました。クリニックで培った運動機能改善のスキルを活かし、利用者様のご自宅という環境に合わせた実践的なリハビリを提供することで、地域医療に貢献していきたいと考えております。
《新卒・未経験者》
例文3:実習経験をアピールする場合
貴院の充実した教育体制と、チームで新人を育てるという温かい雰囲気に魅力を感じ、志望いたしました。〇〇病院での臨床実習では、回復期リハビリテーション病棟にて、患者様との信頼関係構築の重要性と多職種連携の実際を学びました。特に、貴院が力を入れている〇〇療法について実習で深く学んだ経験があり、ぜひその知識を深め、実践で活かしたいと考えております。プリセプター制度のもとで一日も早く知識と技術を習得し、患者様から信頼される理学療法士として貴院に貢献したいです。
《ブランクのある方》
例文4:子育て等からの復職
再び理学療法士として地域医療に貢献したいという強い想いがあり、子育て中のスタッフも多く活躍されている貴施設を志望いたしました。5年間のブランクはございますが、子育てを通じて培ったコミュニケーション能力や、相手の立場に立って物事を考える力は、患者様やご家族との信頼関係構築に必ず活かせると考えております。貴施設の充実した研修制度を活用し、最新の知識や技術を迅速にキャッチアップしながら、即戦力となれるよう努力する所存です。


これはNG!評価を下げてしまう志望動機のワースト3
最後に、これだけは避けたいNG例も確認しておきましょう。
- どこでも通用する「使い回し」の内容
→「貴院の理念に共感しました」だけで、具体性がなければ熱意は伝わりません。必ず**「なぜ、この職場なのか」**を自分の言葉で語りましょう。 - 「学ばせてほしい」だけの受け身な姿勢
→学ぶ意欲は大切ですが、「教えてもらう」という姿勢だけではNG。「自分の経験を活かして貢献しつつ、さらに成長したい」という貢献意欲を示しましょう。 - 給与や待遇面の話が中心になっている
→条件面も重要ですが、志望動機で前面に出すのは避けましょう。仕事内容や理念への関心を示した上で、面接などで確認するのがスマートです。
まとめ:志望動機は、あなたと未来の職場をつなぐ「ラブレター」
理学療法士の転職・就職における志望動機は、単なる文章作成ではありません。
- 自分自身と向き合い(自己分析)
- 相手を深く知り(企業研究)
- 自分の想いを自分の言葉で伝える
という、未来の職場への「ラブレター」を書くような作業です。
手間はかかりますが、心を込めて書いた志望動機は、必ず採用担当者の心に響きます。この記事を参考に、ぜひあなただけの最高の志望動機を完成させて、希望のキャリアを掴んでください。応援しています!
