第90回 日本循環器学会学術集会 参加記
循環器医療の最前線に触れて
理学療法士として学んだこと
理学療法士として、循環器学会へ
3月20日から22日、福岡で開催された第90回日本循環器学会学術集会に参加してきた。 普段は病院のリハビリ室が「世界のすべて」になりがちな自分にとって、こうした大規模な学術集会に足を運ぶのはひとつの決断でもある。
循環器領域といえば心臓内科医や心臓外科医のフィールドというイメージが強い。 だからこそ、理学療法士として参加することへの期待と、少しの緊張が入り混じっていた。 しかし、会場に一歩踏み込んだ瞬間から、その感覚は確かな刺激へと変わっていった。
変化のスピードに、追いつけているか
今回の参加で最も強く感じたのは、医療の進歩の速さだ。 セッションのスライドには、自分が学生時代に「最先端」として学んだ知識がすでに「過去のもの」として扱われている場面もあった。
知識や技術を適宜アップデートしないと、気づかぬうちに取り残されてしまう——。 そんな危機感が、この3日間で確かに芽生えた。 これは脅威ではなく、専門家として成長し続けるための「警報」だと受け取りたい。
循環器疾患の患者さんと日々向き合うリハビリの現場においても、 医学的エビデンスのアップデートは直接的に関わってくる。 心不全のリハビリプロトコル、虚血性心疾患への運動療法の適応…… 最新の知見を取り入れながら実践していくことの重要性を、改めて痛感させられた。
発表の先生方から感じた、研究の「重み」
各セッションで演壇に立つ先生方の姿には、一様に言いようのない「重み」があった。 データの一点一点に裏付けがあり、問いの立て方に哲学があり、そして何より、そこに至るまでの膨大な積み重ねが滲み出ていた。
質疑応答の場面では鋭い問いが飛び交い、それに対して冷静かつ誠実に応じる姿が印象的だった。 「こういう方々が医療の最前線を切り拓いているのだ」——そう実感すると同時に、 自分はどの立場から、何で貢献できるのかを自然と問い直す時間になっていた。
理学療法士として循環器領域に関わる自分に何ができるか。 治療する人・手術する人が集まるこの場で、「動かす人」としての役割と可能性を、もっと深く考えていきたいと感じた。
院内を出て「外」を知ることの意味
学会への参加は、単なる「勉強の場」ではないと感じている。 同じ志を持つ医療者が全国から集まり、それぞれの問題意識や実践を持ち寄る場——それ自体が、日常の臨床では得られない刺激に満ちている。
廊下での何気ない会話、ポスター会場でのやり取り、異なる職種の視点。 そういった「学会の余白」にこそ、思わぬ発見や繋がりが宿っていることを、今回も実感した。
次回以降はさらに積極的に、自分自身の実践や考察も持ち込んでいけるように。 今日感じた危機感と敬意を、日々の臨床の糧にしていきたいと思う。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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