はじめに
「こんなに頑張ってるのに、なんで評価されないんだろう…」
「給料も上がらないし、休みも取りづらい。患者さんの人生に関わる責任ある仕事なのに…」
こんな気持ちを、心の奥底に抱えたまま働いている理学療法士(PT)は少なくないのではないでしょうか。何を隠そう、私自身もその一人でした。
新人のころは「技術を身につければ、自然と待遇も良くなる」と信じていました。
しかし、3年、5年と経験を重ねても、思ったような変化は訪れない。むしろ、責任と業務量だけが増え、心身ともに疲弊していく毎日。
「このまま、あと何年頑張れば報われるんだろう?」
「10年後、自分は笑ってこの仕事を続けられているのだろうか?」
もしあなたが、このような違和感や将来への不安を少しでも感じているなら、この記事はきっと役に立つはずです。

この記事では、理学療法士の待遇について「誰かが変えてくれるのを待つ」のではなく、「自分の手でキャリアを選び取る」という視点で、現状を打破するための具体的な方法を私の実体験を交えてお話ししていきます。
あなたの「次の一歩」を応援する場所を作りました
「自分もこのままじゃダメかも…」
「何かを始めたいけど、何から手をつければいいのか分からない」
そんな気持ちを少しでも抱いたなら、ぜひメンバーシップも覗いてみてください。
私自身が試してきた
「副業の始め方」「情報発信のコツ」「理学療法士としてのキャリア戦略」など、
そして、
• 実際の症例をもとにした臨床推論プロセス
• アセスメント・介入を“なぜそう判断したのか”まで解説
• 解剖・運動学的知識と臨床判断のつなげ方
• 臨床で悩んだケースへの僕なりの視点と対処法
• 治療技術だけではない「思考力」の育て方
「現場で使える知識」と「実践力」を身につけたい。そんな方のための理学療法士の臨床推論力を高める学び場です。

【残酷な現実】理学療法士の給料が安く、待遇が上がらない3つの理由
まず、なぜ私たち理学療法士の待遇は上がりにくいのでしょうか。その構造的な問題を理解することが、次の一歩を踏み出すための第一歩となります。
理学療法士の平均年収は、各種調査でおよそ400〜450万円。これは他の医療系国家資格職種と比較しても、決して高い水準とは言えません。勤続10年を超えても年収500万円に届かないケースも珍しくなく、昇給も年に数千円程度という職場がほとんどです。
この「頑張りが報われにくい」状況を生み出している主な原因は、以下の3つです。
理由①:診療報酬制度という「上限」
私たちの給与の源泉は、国が定める診療報酬制度です。リハビリ1単位あたりの点数が決まっているため、病院や施設の収益には上限があります。組織全体の売上が伸びなければ、人件費である私たちの給料を大幅に上げることは構造的に困難なのです。
理由②:増え続ける理学療法士と「供給過多」
理学療法士の国家資格保有者は年々増加の一途をたどり、需要に対する供給が上回る「供給過多」の状態に陥りつつあります。これにより、労働市場での価値が相対的に低下し、「代わりはいくらでもいる」という状況が生まれやすくなっています。結果として、給与交渉がしにくく、待遇が頭打ちになりやすいのです。
理由③:成果が評価されにくい「仕事の特性」
理学療法による「患者さんのQOL向上」という成果は、血液検査の数値や薬の効果のように明確に可視化しにくい側面があります。もちろん、私たちは日々の変化を実感していますが、それを客観的な業績として評価し、給与に反映させることが難しいという課題を抱えています。
これらの要因を考えると、ただ真面目に働くだけでは待遇が改善されにくいのは、ある意味で当然なのかもしれません。
しかし、だからといって「我慢し続ける」しかないのでしょうか?答えは「NO」です。
待つのは終わり!理学療法士が待遇を自ら変える4つの選択肢
「給料が安い」「将来が不安」と感じたとき、私たちは無力ではありません。理学療法士という資格と経験を武器に、自らキャリアを切り拓くための選択肢は、実はたくさん存在します。
ここでは、私や周囲のPTが実際に試してきた4つの道を紹介します。
選択肢①:【転職】で環境を変え、年収と働きやすさを手に入れる
最も現実的で、即効性のある方法が**「転職」**です。同じ理学療法士でも、働く場所が変われば年収、休日、残業時間、働きがいは全く異なります。
- 回復期 → 訪問リハ:月給5万円UP+インセンティブあり。スケジュール管理の自由度も向上。
- 総合病院 → 整形外科クリニック:月給5万円UP+残業が激減、プライベートの時間を確保。外来で患者さんを長期的にフォローできる。
- 慢性期 → 急性期:最先端の医療に触れ、専門スキルを磨くことでキャリアアップに繋がる。
「職場を変える=キャリアリセット」ではありません。むしろ、これまでの経験を高く評価してくれる「より自分に合う場所」へ移るための、戦略的なキャリアチェンジです。
Point!転職を考えるなら、PT専門の転職エージェントに登録するのがおすすめです。非公開求人や職場の内部情報も教えてくれるため、ミスマッチを防げます。


選択肢②:【副業】で収入の柱を増やし、スキルをお金に変える
本業の給料が上がらないなら、「副業」で収入源を増やすのも賢い選択です。理学療法士の専門知識や臨床経験は、院外でも大きな価値があります。
- 知識を発信:ブログやnoteで専門知識を解説(広告収入、コンテンツ販売)
- 指導・教育:オンラインセミナー開催、パーソナルトレーナーとしての指導
- ライティング:医療系メディアの記事執筆、リハビリ関連コラムの監修
- 相談サービス:学生や若手PT向けの臨床相談、キャリア相談
まずは月5,000円を目標に小さく始めてみましょう。「自分の知識や経験が直接お金に変わる」という実感は、臨床では得られない大きな自信と視野の広がりをもたらしてくれます。
選択肢③:【SNS・情報発信】で影響力を持ち、新たな道を切り拓く
X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどで、自身の臨床経験や知識を発信するPTが急増しています。これは単なる趣味ではなく、キャリアを大きく飛躍させる可能性を秘めた活動です。
- 専門家としての認知度向上:フォロワーが増え、セミナー講師や執筆の依頼に繋がる。
- 新たなビジネスチャンス:企業から商品開発やプロモーションの依頼が舞い込むことも。
- 集客ツールとして活用:情報発信をきっかけに、自費リハビリやオンラインサービスの顧客を獲得する。
最初は勇気がいりますが、個人の信頼性が価値になる現代において、「発信力」は強力な武器になります。
選択肢④:【独立・開業】で理想のリハビリと働き方を追求する
「診療報酬に縛られず、本当に価値あるリハビリを提供したい」
その想いを突き詰めた先にあるのが**「独立・開業」**という道です。
- 自費リハビリテーション:保険適用外で、一人ひとりに合わせた質の高いリハビリを自由な価格で提供。
- 地域貢献事業:高齢者向けの運動教室や、企業の健康経営サポートなど、活躍の場は無限大。
- 法人化・チーム作り:自分のビジョンに共感する仲間を集め、理想の組織を作る。
もちろん簡単な道ではありませんが、働き方、収入、やりがいの全てを自分でデザインできる、最も自由度の高い選択肢です。
私が「自分で選ぶ」と決意した日|行動して見えた景色
私が本気で「このままではダメだ」と行動を起こしたのは、3年目の理学療法士として勤務していた頃でした。
定期昇給はわずか3,000円。サービス残業と休日出勤は当たり前。年末年始も当たり前のように仕事し、休日手当はなし。希望休すらとれない環境。そして何より、「この環境で働き続けても、何も変わらない」という厳しい現実に気づいてしまったのです。
最初は怖かったです。転職も、副業も、SNS発信も、すべてが未経験でしたから。
でも、まずは小さな一歩から踏み出してみました。
- ブログを開設し、臨床で学んだ知識を自分の言葉で発信してみた。
- オンライン勉強会に参加し、職場以外のPTと繋がり、情報交換をした。
- SNSで同じように悩むPTと交流し、励まし合った。
たったそれだけでも、私の世界は大きく変わりました。
「自分の居場所は、今の職場だけじゃない」
そう思えた瞬間、心がふっと軽くなったのです。
行動することで視野が広がり、少しずつ副収入も生まれ、本業のリハビリにも自信を持って向き合えるようになりました。何より、「自分の人生を、自分で選んでいる」という実感が、何にも代えがたい原動力になりました。


まとめ:理学療法士の未来は「待つ」のではなく「選ぶ」時代へ
待遇が改善されるのを、何年も待ち続ける。それも一つの生き方です。
しかし、その一方で、「自分の人生とキャリアを、自分の手で選び取ることもできる」という事実を、どうか忘れないでください。
この記事で紹介した4つの選択肢を、もう一度おさらいします。
- 【転職】:より良い労働条件の環境へ移る
- 【副業】:専門性を活かして収入源を増やす
- 【SNS・情報発信】:影響力を武器に新たなチャンスを掴む
- 【独立・開業】:理想の働き方とサービスを追求する
私たちは幸いにも、インターネットやSNSを通じて、情報もチャンスも手に入れやすい時代に生きています。
「やったことがない」というだけで、挑戦できることはあなたの想像以上にたくさんあるはずです。
もし、今の働き方にモヤモヤしているなら、まずは**「自分には選べる道がたくさんある」という事実に気づくこと**から始めてみませんか?
「待遇が良くなるのを待つか、自ら選びにいくか。」
この問いに正解はありません。
しかし、どんな道であれ「自分で選んだ」という納得感こそが、後悔のないキャリアと人生に繋がると、私は信じています。
この記事が、あなたが新たな一歩を踏み出すきっかけになれたなら、これほど嬉しいことはありません。